アート旅ブログのマチです。
2026年6月27日をもって閉館する資生堂アートハウスへ行ってきました。
2年前に訪ねて以来でした。
建物は残されますが、一般公開がなくなるのはとても残念です。
資生堂アートハウス
建築として
資生堂アートハウスは高松眞介、谷口吉生両氏の設計によるもので70年代を代表するモダニズム建築の傑作として、1979年の「日本建築学会賞」を受賞しています。

外観はラスター釉タイルのシルバーを基調に、壁、ガラス面ともに曲線を描いています。
2つのブロックをS字形のホールで繋いでいます。
曲面ガラスの窓に行きかう新幹線や周りの緑が映し出されます。

コンクリート打ちっ放しの平面に部分にエントランスがあります。

シンプルな中にデザイン性が垣間見えます。

開館は最後ということで、入場は無料です。

半円形の階段を一歩一歩降りると展示室へ誘われます。

大きな窓ガラスの向こう側には青木野枝「雲谷ーⅤ」

朝一番からたくさんの方が来場していました。
展示室でも曲線と直線のコラボ。

資生堂アートハウス所蔵作品展 小村雪岱
小村雪岱は大正から昭和初期にかけて活躍した日本の美術家で、資生堂アートハウスは多くの作品を所蔵しています。
小村雪岱は江戸の風情や情緒を近代的な感覚で描いています。
「夜雨」
一連の団扇絵の一つ。
館船の御簾の間からのぞく女性の顔が女性の背景を想像される。
日本の美。

「筑波」
筑波山を眺める女性の後ろ姿。

「河岸」
隅田川の河岸。
蔵は小村雪岱が好んだモチーフ。
蔵と蔵の間の女性の姿を描く斬新な構図。

「浜辺」
貝殻とカニ。季節を感じさせる作品。

「おせん 傘」
新聞小説「おせん」の挿絵。
しつこく付きまとう紙問屋の若旦那から逃れさっていくおせん。
リズムよく並ぶ傘の曲線と雨の直線のデザイン性も秀逸。

展示室も直線と曲線がバランスよく配置されています。

「銀座」
1921年当時の銀座の様子を書物に残したもの。
表紙に配された洋風唐草と背表紙は金の型押し。
本の装幀を手がけたのが小村雪岱。

「香水 梅」
香水瓶のデザインが小村雪岱。美的センスが光ります。

工藝を我らにセレクション 2026
「桃の節句」
朱塗りの一重の箱に何が入るのか?
ワイングラスとの取り合わせも斬新で良い感じ。

「はつはな」
ドレープが美しい。
窓の景色とのコラボも素敵です。

雪の結晶柄が可愛らしい。


泉鏡花の本の装幀が小村雪岱。
装幀家としての出世作。
隅田川と白壁の対比が特徴です。

「東京大観」
東京観光のガイドブック。

館内の椅子
世界初の片持ち構造の椅子<カンティレバーアームチェア> マルト・スタム

学芸員さんから カッシーナの椅子と教えてもらいました。

他にも、マルセル・ブロイヤーの「ワシリーチェア」も置かれていました。
屋外作品
広々した前庭に立体作品が置かれています。
イワタルリ「2W050319D」

鷲見和紀郎「エンドレス・ワルツ」

伊藤隆道「5月のリング」

ペリクリ・ファッツィーニ「後脚で立つ馬」
イタリア三大彫刻家3Mとペリクリ・ファッツィーニ。

鷲見和紀郎「Vell‐Endless」

この他 青木野枝、李禹煥の作品も見られます。
基本情報
開館時間:10:00~16:30
休館日:日曜日~水曜日
入場料:無料
2026年7月4日まで
アクセス
JR掛川駅 南口よりタクシーで5分、徒歩20分。
バス 南口より、市街地循環線(南まわり)「資生堂アートハウス 入口」下車。
車 東名高速「掛川IC」より7分。
まとめ
谷口吉生作品 “資生堂アートハウスが壊されなくて本当に良かった。
鉄、ガラス、コンクリートといった機能的な素材を活かし、直線や幾何学を用いたシンプルでシャープなデザイン。
無駄をそぎ落とし、素材の美しさを引き出し、凛とした雰囲気を醸しだしているところ、自然と調和しているところがとても素敵です。
私が谷口作品に惹かれる理由はそこにある気がします。
資生堂アートハウスの他、9か所再訪してみたくなりました。
<谷口吉生作品>
〇資生堂アートハウス
〇土門拳記念館
〇長野県信濃美術館 東山魁夷館
〇丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
〇豊田市美術館
〇東京国立博物館 法隆寺宝物館
〇香川県立東山魁夷せとうち美術館
〇ニューヨーク近代美術館
〇京都国立博物館 平成知新館
〇鈴木大拙館
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。


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