アート旅ブログのマチです。
サブスク購読している<美術手帖>からご招待いただき期間限定で見学できる九段ハウスに行ってきました。
歴史的建造物九段ハウスの内部と展覧会 CURATION FAIR Tokyo 2026についてお伝えします。
展覧会の基本情報や感想も合わせて掲載します。

CURATION FAIR Tokyo 2026

九段ハウス
九段ハウスは1927年 5代目山口萬吉の私邸として建てられた建築物で、内藤多仲などの建築家が手掛けたスパニッシュ様式の洋館。
萬吉氏は石油、金融、鉄道事業で財を成し、九段下に豪邸を建てた方です。
今は会員制のビジネスイノベーション拠点として利用されています。
スパニッシュ瓦やアーチ型の入口が特徴的。
壁に入っている切り込みがかわいい。
関東大震災の教訓として耐震の観点から鉄筋コンクリートが使われています。


窓枠、照明器具一つひとつの意匠が凝っている。

展覧会:美しさ、あいまいさ、時と場合に依る
早速内部へ。
地上3階、地下1階の2階から鑑賞しました。
李朝白磁と現代アートのコラボ。
深みのある青白さがとても素敵です。

りすの耳つき壺。

本山ゆかり「画用紙」(レースカーテン)
アクリル絵の具の垂れた感じがよいなぁ。
展示のしかたにもセンスが光る。

伊庭靖子「Untiled」
モランディの静物画を思い出しました。
静謐で温かみがある作品。


本山ゆかり「画用紙」(二つのコップ)
絵具の塗り方と味のある線がお気に入り。

本山ゆかり「画用紙」(果物かご)
作品が応接室の雰囲気にとても合っていて心地いい。

大理石でできた手すり。意匠もおしゃれ。

曲線美。


2階で映像作品を見ることができる。
3階の雨宮庸介による新作VR作品の上映予約をしてから鑑賞しました。
照明器具も素敵で一つひとつ撮影したくなる。

レフレクションも美しい。

1階の山口邸の調度品。

【新たなる時代をみること】洋画と彫刻の再出発の軌跡
戦後日本美術の出発点にあった「挫折」と「希望」はどのような道程を辿ったのか。
柳原義達「バルザックのモデルたりし男」彫刻
林武「赤衣の少女」
全体的に抑えた色調の作品が多い中、鮮やかな赤、黄、青のコントラストが力強く印象的だった。
山口薫「幻想 ロダンの夢」

中川一政「椿」

窓の外の景色も作品の一部。


福沢一郎「雪の芸術」
高森勝三「沈丁花とレモン」
昭和の作品は何とも言えない味わいがある。

入江比呂「人物」立体作品

丸山位里「裸婦」
絶妙な線で表現している。

影もアート。

1階の応接室もゴージャス。

ノーベル文学賞を受賞した川端康成と大江健三郎。
川端「美しい日本の私」大江「あいまいな日本の私」で境界や「あいまいさ」を主題にしている。

壁に投影される様が美しい。

川端康成「有由有縁」
黒田辰秋「赤漆捻八陵蓋物」

雨宮庸介作品
溶けるりんごシリーズ。

地下1階は一転して現代アート。
五月女哲平<あなたが知っている、あの場所について>
油絵とそれを受け入れる空間の構成がテーマ。

出窓と絵画のコラボ。
長方形でなく、台形なのが良い。

ライオンの顔に見える。

日差しの演出も作品を引き立てる。
鑑賞している人の雰囲気も素敵だったなぁ。

山口邸の入口にある別棟での展示。
右上:香月泰男「業火」
シベリア抑留のシリーズの一点。

CURATION FAIR とは
気鋭のキュレーターによる展覧会と厳選されたギャラリー・美術商によるアートフェアの二部構成で開催されるイベント。
今回のキュレーターは遠藤水城氏。
美術品の価値を様々な角度から鑑賞者に伝える新しい試みになっている。
ホワイトキューブではなく、居住スペースにディスプレイされることでコレクションして自分の部屋に置いた時のイメージがつくのではないかと思います。
有形文化財である九段ハウスそのものがとても魅力的なので、建築を鑑賞する意味でも訪ねる価値があります。(展覧会などのイベントの時のみ入館可能。)
是非訪ねてみてほしいです。
基本情報



展覧会、アートフェアどちらも来たい方にはセットパスがお得。
九段ハウス アクセス


まとめ
このイベントの売上の一部は、九段ハウスの貴重な文化遺産を次世代に受け継いでいくため、建物や環境保全に使用される予定だという。
活用しながら保全していく流れはとても良い取り組みだと思いました。
継続されることを期待して。
アートだけでなく、建物好きの方にもおすすめの展覧会となっています。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。
