倉敷・姫路アート旅

大原美術館 国内アート
大原美術館

アート旅ブログのマチです。
旅の締めくくりは倉敷と姫路でのアート鑑賞。

まずは、岡山から4駅戻って、倉敷へ。
美観地区の通りは雰囲気のよいお店が立ち並んでいる。

アジア系のインバウンドは朝から熱心に美観地区で写真撮影。
オープン前の大原美術館は行列ができ始じめていた。

倉敷市立美術館

大原美術館の開館時間まで時間があるので初めての倉敷市立美術館へ。
訪問した日は生憎展示替え中で展覧会はなく建築のみ鑑賞した。
アートと建物の師匠のオススメ。
1960年竣工 設計丹下健三。
建築は梁を縦横に組み合わせ接点部分に柱を配する構造になっている。
太い柱、厚い壁の打ちっ放しのコンクリートは迫力満点。

マチが訪問した後に矢部太郎の展覧会が始まった。倉敷はお父さんのふるさとだそうでご縁があるようだ。

コルビュジェの影響かカラフルな内装部分がアクセントになっている。
右中:植松奎二「浮くかたち一軸」
重力や張力を視覚化した緊張感のある作品を制作している作家。
マチ推しの彫刻家だ。

エントランスホールには高さ10mを超える吹き抜け空間が作られている。
竣工当時は市庁舎だったものを美術館に転用している。
古きよきものを活用していて素晴らしいと思う。香川県も見習えばいいのに。
丹下健三設計の「船の体育館」は解体か。

大原美術館

大原美術館は大原孫三郎が紡績で財を成し、収集した美術品を一般に公開するために1930年に設立された。
美術品の収集は渡欧した洋画家児島虎次郎に任されていた。
モネ、マティスなどの西洋絵画をはじめ、民藝運動を主導した作家の作品まで充実している。

ギリシャのパルテノン神殿のような外観。

中庭や外観以外の館内作品は残念ながら撮影禁止。
☆本館
松本竣介「都会」 古賀春江「深海の情景」 カリエール「想い」 コッテ「ジャンの祭火」
フォラン「舞台の青」 セガンティーニ「真昼のアルプス」怖いくらいの鮮やかさ。
フレデリック「万有は死に帰すされど神の愛よみがらしめん」
素晴らしいコレクションの数々。
この日は連休で開催されていなかったが、「対話型鑑賞」に参加してみたかった。
タイミングが合えば貴重な体験ができる。
アートの師匠は普段2作品のところ3作品を対話鑑賞したと、言っていたなぁ。さすが、もっている!

☆工芸館
工芸館では濱田庄司、棟方志功などの作品を鑑賞できる。
内部の雰囲気も本館と違った趣がある。

☆児島虎次郎記念館
大原美術館の作品収集に尽力した児島虎次郎の作品を展示する今館は2025年4月に開館した。
外観はネオルネサンス様式で旧第一合同銀行の建物を活用している。
展示室には銀行のカウンターが残されている。

光を通すステンドグラスもひと際美しい。
最近亡くなられた元館長の高階秀爾先生を追悼し手を合わせた。
スタッフさんにお聞きしたところ、亡くなる直前まで来館されていたそうだ。
左下:「和服を着たベルギーの少女」
右中:「スウェーデンの少女」
右下:「酒津風景」
児島虎次郎は1908年から4年間ヨーロッパに留学していた。
その間ベルギーのヘントに滞在して王立アカデミーで学び、ベルギー印象派とも称されるルミニスムの影響を受けた。
フランスのサロンにも出品している。

私設美術館として歴史のある大原美術館。名残惜しいけれど最終地姫路へ。

☆アクセス
最寄りのJR倉敷駅から徒歩15分。
美観地区を散策しながら歩くのがオススメ。

姫路市立美術館

山陽本線を乗り継いで倉敷から姫路へ移動する。
どうしても訪ねたかった姫路。
姫路は大阪、兵庫と若しくは岡山と組み合わせて旅行するのに中途半端で一度しか訪ねたことがなかった。
一度目は白鷺城が修復中で全貌を見たのは今回が初めて。
美しい国宝 世界遺産の姫路城。風格がある。

姫路駅からお城めぐりバスで5分の姫路市立美術館へ。
レンガ造りで趣のあるたたずまい。
中庭にはたくさんの立体彫刻作品が配されている。

街の中にこんな美術館があったら、毎日でも通うだろうなぁ。
羨ましいかぎり。
左中:木内克「エーゲ海に捧ぐ」
左下:桑原巨守「姉妹」
右中:峯田義郎「地平線の午後」

左上中:本郷新「花束」

左上:淀井敏夫「海の鳥と少年」
入館するまでのアプローチが豪華すぎる。
地元の方々は身近にアートに接することができる場所があって本当にいいなぁ。

☆國富奎三コレクション室
左上:カミーユ・コロー「湖」
左中:ギュスターブ・クールベ「波」
左下:アドルフ・モンティセリ「モスクの前の集まり」
マルセイユ生まれ、バルビゾン派の画家やセザンヌと親交があった。マチエールが厚く、強い対比をもつ色を並べるのが特徴。
右上中:ラウル・デュフィ「小公園」「ミシェル・ビヌーの肖像」
シンプルな線で表現しきっているところがすごい。
右下:マックス・ペヒシュタイン「帆船」

左上:クロード・モネ「ル・プティジュヌヴィリエにて、日の入り」
左中:モーリス・ユトリロ「サン・メダール教会とムフタール通り」
精神状態の良い時の作品のような気がする。
左下:アンドレ・ユッテル「田舎の橋・コルシカ」
右上:シャルル・コッテ「静物」
今コレクションのイチオシ作品。
パリでピュヴィス・ドシャヴァンヌの教えを受け印象派の展覧会やサロンにも出品していた。
アルジェリアなどの旅行から多くのものを得て作品に反映させている。
明るく優しい色彩が何とも言えなくよい。
右中:アンリ・オットマン「裸婦」
フランスのアンスニ出身。デリケートな色彩で感覚的な世界を描く。
右下:アンリ・マティス「ジャズ」シリーズ

充実のコレクション作品。レアリスムからポスト印象派まで今まで鑑賞したことがない作品をたくさん見せてもらった。
欲を言えば、ルネ・マグリット作品を鑑賞したかった。。

☆オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト オムニバス
 日本文化の伝承と飛翔ー「本歌取り」をめぐって 8/2~10/13 鑑賞無料

杉本博司「狩野永徳筆 安土城図屏風 想像屏風風姫路城図」ピグメントプリント


杉本博司が長年探し続けている<安土城図屏風>は桃山時代に天正遣欧使節によってローマ教皇に献上されたが、その後行方知れずになっている。
夜明けの姫路城を見た杉本博司は永徳の安土城図屛風はこのような景色でなかったかと思い、今作を制作した。

☆日本美術・技術博物館(ポーランド) 姫路市立美術館 連携記念事業
 ボウニク「アンダーコート」 鑑賞無料

今展は裏返された縫い目や裏地があらわになった衣服を撮影した連作の写真作品。
普段は見ることができない内側に注目していて、軍服やシャーマンの衣装などが使われている。
ポーランド出身の現代美術家。写真を専門とし、分解・再構築や空間物体のモデル構築といったモチーフを繰り返し探求している。

館内のステンドグラスも美しい。

☆ミュージアムカフェ 「はりまっ子」
素朴な焼菓子が美味しそうだったなぁ。

アートっていいなぁ。今日も心豊かに。

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