印象派 室内をめぐる物語 国立西洋美術館

国内アート

アート旅ブログのマチです。
久しぶりの上野アート。
年末にお友だちが誘ってくれたので室内の印象派を鑑賞してきました。
平日の朝にも関わらず絵画の前が四重になるほどの込み具合。
自分も含めて日本人は印象派が好きなんだと実感。

国立西洋美術館 

企画展 印象派 室内をめぐる物語

室内の肖像、日常の情景、室内の外光と自然、印象派の装飾の4つのテーマに分かれている。

エドガー・ドガ「家族の肖像ベレッツ家」
圧倒的な画力。
部屋の調度品や人物の服装からブルジョワな生活がうかがえる中、家族の面々に笑顔が見られない。
右のお父さんはイタリアで政治活動をして肩身の狭い思いをしている。
片や、お母さんは精神疾患をかかえているのかちょっと憂鬱な表情。
きっぱり描かれた母・長女対少しぼやかして描かれた父・次女側。
いろんな見方ができる。

ルノワール「ピアノを弾く少女たち」
光沢のあるパステルカラーが温かい気持ちにさせてくれる。
発光する人物が美しい。
2年前オルセー美術館で観たことを思い出した。

アルベール・バルトロメ「温室の中で」
手前から窓の外に視線が誘われるテクニックもスゴイ。
ドレスが保存されているとは驚き!

クロード・モネ「睡蓮」
いつ見ても美しい。
見る距離によって見え方が違うことを楽しむ。
黄色と紫の睡蓮がよいなぁ。

クロード・モネ「睡蓮、柳の反映」
60年ぶりにルーブル美術館内で発見された松方コレクション作品のひとつ。
柳の木が逆さまに映り込んでる様子を描いている。
オランジェリー美術館の大装飾画「睡蓮」の習作であることがわかっている。
一年間の修復を終えて公開された。
厚いマチエールのピンクの睡蓮がとても良い。作品全体を観てみたかった。

ギュスターブ・カイユボット「ヒナギクの花壇」
印象派の画家の作品を購入するなどして活動を支えた人物のひとりだ。
邸宅に設置するために描かれたが、未完のまま亡くなってしまった。
モネの睡蓮大装飾画の影響か。

混雑を回避するためか、写真撮影は1室につき1枚。
オルセー美術館以外からも作品が集められていて、珍しい室内印象派作品を堪能したマチ。
続いて常設展へ。

常設展

国立西洋美術館新館の設計は本館設計者ル・コルビュジェの弟子である前川國男。
師弟の競演。
広々として高さもある吹き抜けにロダンの彫刻が贅沢に展示されている。
天井は三角形の窓に十字に梁がかけられていて自然光が優しく入ってくる。

アクセントの赤い部分がル・コルビュジェを想起させる。
つづら折りのスロープを上がっていくと視点が変わって上から作品を楽しむことができる。

常設展示はルネサンス作品からスタート。
首切りシリーズ。
左上:クラーナハ父 首切りの作品
左下:ガリツィア「ホロフェルネスの首を持つユディット」
敵の将ホロフェルネスを酒に酔わせて首を切った話を題材にしている。
カラヴァッジョと並ぶ画力の持ち主。新収蔵作品。
右上:ティツッィアーノ・ヴェチェッリオと工房「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」
ティツッィアーノ晩年の作品。
新約聖書 ヘロデ王の娘サロメが踊りを披露した褒美に手に入れた洗礼者ヨハネの首を差し出す図。
美しく残酷。
右下:フリューゲル息子「鳥罠のある冬景色」
父の作品を模写している。

ルネサンス期の祭壇画。
一昨年のベルギーアート旅で鑑賞したヘントの神秘の子羊を思い出した。
ベルギーアート旅ブログも参照ください。マチブログ 神秘の子羊

「ゲッセマネの祈り」
聖書の題材を明暗対比で美しく描いている。
最後の晩餐の後、磔刑にかけられる前のシーン。

エドワード・コリール「ヴァニタスー書物と骸骨のある静物」
現生の命や富ははかないものだというテーマで描かれている作品。
頭骸骨、消えかけた蝋燭、時計、書物などをモチーフが登場する。
超写実のテクニックも見どころだ。

左:スルバラン「聖ドミニクス」
ドミニコ会修道院のドミニクスの肖像画。スルバランはスペイン絵画を代表する画家のひとり。
明暗対比の描き方が秀逸。
黒の背景に浮かび上がる人物の様子が見どころになっている。
右:ヨハネス・フィケレッリの模写「聖プラクセディス」
使われている画材からフェルメールの作品という見方もある。
殉教した人を埋葬するプラクセディス。光沢のある赤が素晴らしい。

左:ジャン・フランソワ・ミレー「春」

新収蔵作品
クロード・モネ「睡蓮」
現存する初期の「睡蓮」8点のうちのひとつ。
どちらかというと、水面の表現より花そのものを描くことに注力していたようだ。
詩人マメラルの「白い睡蓮」から想起される。
とても静かな水面。

天井のライティングもデザイン性に優れている。

企画展を鑑賞していた方たちは常設展にあまり足を運んでいないようだ。
こんなに素晴らしい作品が企画展のチケットで見られるというのに。

物語る黒線たち デューラー 版画素描展示室

右上:アルブレヒト・デューラー「受胎告知」
ルネサンス期に活躍したデューラーは複製媒体である版画の技術の可能性や表現のポテンシャルを大きく拡張した人物だ。
黒線を使ってあらゆるものを描き広く大衆に広めた功績がある。

ロダンコーナー

新館の中庭に面した明るいコリドースペースにロダンの彫刻がぜいたくに展示されている。

近現代アート

ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「貧しき漁夫」
大原美術館の常設展には大きな壁画の作品がある。
平面的で色画による画面構成が特徴的だ。

ダンテ・ガブリエル・ロセッティ「愛の杯」
ルネサンスのラファエル以前の素朴な芸術に返るラファエル前派のメンバーのひとり。
背景には旧約聖書の物語を表す4枚の真鍮の皿と忠誠、永遠を象徴する蔦の葉が見られる。
とても魅力的。
ミレーの「オフィーリア」が見たい。

ジョヴァン二・セガンティーニ「羊の剪毛」
農民生活を描いた作品のひとつ。
とても細かく丁寧なタッチで表現されている。
大原美術館の「アルプスの真昼」はさらに明るく鮮明に描かれている名品だ。
新印象主義の技法を取り入れているようだ。

北欧作品。
左上:ハンマースホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」
二つの部屋をつなぐ扉が開き奥へ視線が誘われる。
フェルメールの影響があると言われている。
左下:グフタス・クリムト「アッター湖の島」
クリムトにしては珍しい風景画。静かな湖面をブラッシュ・ストロークで描いている。
右上:カッレウ「ケイレイ湖」
湖面の映り込みと光の表現が素晴らしい。
アウグスト・ストリンドペリ「インフェルノ」
洞窟の開口部の奥に嵐が吹き荒れている激しい様子を描いている。

モーリス・ドニ「踊る女たち」
縦に配された人物と木々のデザイン性がよい。

左上:ジャクソン・ポロック「ナンバー8 黒い流れ」
モノクロでオールオーヴァーの抽象から具象に立ちかえった作品。
左下:ジョルジュ・ブラック「パイプがある静物」
黄色いレモンがアクセントになっていて素敵な作品だ。
右上:ジョルジュ・ブラック「ザクロと緑ピーマン」
右下:ピエール・ボナール「働く人々」
淡くカラフルな色彩がよい。

ルネサンスから現代まで充実のコレクション作品を鑑賞した3時間30分だった。

ミュージアムレストラン

いつも行列ができているレストラン。
予約ができないので気長に待てる時に利用してみたい。

東雲キャナルコート KODAN

きっかけは9月に訪ねた横須賀美術館で行われた「山本理顕展」
展覧会で気になった建築がこの東雲キャナルコートだった。
山本理顕は公共の場と個人のスペースの境を「しきい」とたらえて地域社会とつながる空間を大切にする概念で設計をしている建築家だ。
代表作のひとつが東雲キャナルコートになる。
40000平米の空間のS字アヴェニューの両側に歯医者、医療クリニック、塾、フィットネス、スーパーと生活に必須な施設が網羅されている。
この地域だけで暮らしが完結してしまうほどの充実ぶり。
居住スペースは6区画に分かれていて、隈研吾、伊東豊雄がデザインした棟もある。全体のプロデュースは山本理顕。それぞれの建築家の個性はあまり感じられないが、内部を見ると違いがわかるのか。

壁面などが所々カラフルに塗色されていて温かみのある印象を醸し出している。
シングルからファミリーまで間取りを選べるのもよい。
魅力的な賃貸物件。
横須賀美術館の山本理顕展の様子も合わせてご覧ください。

充実した東京アート・建築探訪だった。

アートっていいなぁ。今日も心豊かに。

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