アート旅ブログのマチです。
庭園美術館を初めて訪ねたのは2019年のフォトコラージュの展覧会だった覚えがある。(シュールで初心者には刺激が強すぎた。)3回目の今回は作品と華麗な宮邸とのコラボを楽しんだ。



展覧会
<そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠>
「鉄は透明な金属。そしていつも内部に透明な光をもっている。」青木野枝
「私のガラスは無色透明です。そして周りの光や色をとらえて解き放つのです。」三嶋りつ惠
両者ともにテーマにしているのは、光。朝香宮の自邸として建てられた1930年代の装飾空間とコラボする鉄とガラスの作品を心ゆくまで堪能した。




アール・デコ様式の窓枠とガラス作品。優美のひとこと。





上から下まで光の柱が貫いている。







それぞれの部屋に合わせた作品が配されている。この作品の中央に置かれているのは石炭。


最初はマカロンかと思ったけれどほんのり石鹸の香りがする。使いかけの石鹼を色とりどりに組み合わせて作品にしている。頭上をみると照明器具と作品の色のコラボ。



この部屋は元書庫。

三嶋さん、ヴェネチアガラスで有名なムラーノ島在住。ガラス職人と共同して美しい無色透明な作品を作り出している。

光を受けて輝いている。





青木野枝、鉄を自らバーナーで丸く切っていく。気の遠くなる作業から作品がうまれる。今回の大きな作品は鉄を溶接してある程度のかたまりにして現場に持ち込み、ボルトでとめる手法をとっている。

TABLINOとはヴェネチアのアカデミア美術館にある部屋の名称。後期ルネッサンスの建築家アンドレア・パラーディオが手掛けた空間で、三嶋さんは2022年にインスタレーションを発表している。


いつもは解放されていない3階の一画。外光を受けてできるリフレクションも美しい。展示監修を務めた建築家の青木淳さんは「展示室の配置バランスに細心の注意を払った。」と、語っていた。



お気に入りの作品。


館内照明






屋外彫刻
敷地内は日本庭園、西洋庭園、茶室もあり美術館の鑑賞後に散策を楽しむこともできる。

先日、安田先生と話す機会があった。先生の作品の大半はイタリアの大理石を使用しているとのこと。宮崎県立美術館や山形の酒田市美術館、丸の内アートストリートなど、素敵な空間には先生の作品がある。その他、オシップ・ザツキン、エドヴァール・M・サンドの彫刻も敷地内にある。
庭園内グルメ


庭園の景色を楽しみながら、ケーキセットをいただくのは最高。

美術館で鑑賞しなくても、レストランだけ利用することもできる。カフェ、レストランともに、行くべきミュージアムカフェ・レストランのランキングではいつも上位にあがっている。
アクセス



いつ訪れても感動を与えてくれる素敵な美術館だ。次回以降の展示も楽しみにしよう。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。