アート旅ブログのマチです。
「海の博物館」をはじめ数々の内藤廣建築を追いかけて、ようやくたどり着いた島根県芸術センター グラントワ。
グラントワの魅力と基本情報、アクセスなどをお伝えします。
最後までお付き合いください。

シンボルマークは、島根県を表すSと岩見を表すIで構成されています。
オレンジ色は石州瓦の色を連想させます。

島根県立文化センター「グラントワ」
内藤廣は、美術館×劇場を芸術基地ととられて 「グラントワ」としました。
フランス語で大きな屋根を意味します。
建築について
コンクリート造りの建物を覆っているのは屋根に12万枚、壁に16万枚の石州瓦。
屋根はともかく、壁にも瓦を使うことを考えた内藤廣の発想が素晴らしい。
耐久性に高く雨風から建物を守ってくれます。しかもメンテナンスフリー。
機能面とビジュアルを兼ね備えた画期的なアイディア。

石州瓦は独特のガラス質の表面が季節、時間、天気によって刻々と変わり美しい表情を見せてくれます。
朱色、緑、茶色、金色など何色にも変化するので見ていて飽きないのです。

何色にも輝く壁。

この日の山陰地方はようやく青空が見えて、中庭の25m四方水盤に天空とグラントワが映し出されました。

イベントが開催される時は水が抜かれ、中庭全体が使えるようになります。
活動内容に合わせて多目的に使えるように考えられているところも、さすが内藤廣と言いたくなるポイント。

中庭をめぐる回廊はスタッフさんによって朝から磨きあげられ、石州瓦と呼応し輝いています。

コンクリート造りの建物に自然光を取り込むため、所々にルーパーが配置されています。

中庭にはテーブルと椅子が置かれていて、心ゆくまで時を過ごすことができます。
そうしたくなる空間です。

いわみ芸術劇場
小澤征爾氏も絶賛の音響設備を有する大ホール。
オペラ、バレエ、ミュージカル、コンサートなどが上演されます。
この日は公演がなかったので中には入れなかったのですが、大ホールのホワイエは型押しのコンクリートが複雑に組み合わされて重厚な雰囲気を醸しだしています。

天井にしつらえられたペンダントライトはこの建物に合わせてつくられた特注品で、直径1mと45cmのアクリルリングが優しい光を放っています。
天井高12mという広い空間に寂しさを感じさせない工夫から考えられたそうです。


劇場の外側上部は三次元の複雑な形状から岩のような自然の要素を取り入れているように見えます。

どこから見ても絵になる素晴らしい空間。
ため息しかでない~。

ペンダントライトに照らされた床には硬くて丈夫なカリン材が使用されていて、経年によってあめ色に輝き空間に温かみを与えています。
赤みのある色は石州瓦をイメージ。
外壁との調和も考えられていて内藤廣の演出に脱帽。

劇場と美術館だけでなく、アートライブラリースペースもまた魅力的。
教会内部を思わせる半円状のドーム天井が特徴的です。
芸術関係を中心に関連の資料もゆっくり読むことができます。

来場記念の絵馬も瓦。

石見美術館
趣向の異なる大小4つの展示室を活かして、スケールの大きな企画展が展開されます。
森鴎外ゆかりの美術家の作品、石見の美術、所蔵作品も興味深いです。
エントランスには、草間彌生による大きな「かぼちゃ」が堂々と配されています。

コレクション展 古美術を親しむ
日本の江戸時代以前の美術作品を展示していました。
何が描かれているのか、どんな技法が使われているのか、作品の特徴はどこにあるのか意識して鑑賞してみたい展覧会です。


市民の作品が展示されているコーナーもあります。
植田正治の「演出写真」を彷彿とさせる。

屋外彫刻
澄川喜一「そりのあるかたち」シリーズ作品
山口県の錦帯橋のアーチ構造から着想を得た「そり(曲線)」の美しさが特徴的な作家
澄川喜一は初代館長を務めた方です。
美術館の赤い石州瓦の建物と自然の中で存在感を放っています。
日の当たる場所との明暗の対比がうまれているところがカッコイイ。


基本情報




アクセス



津和野 旅
午前中で益田界隈を切り上げ、高校の修学旅行で訪れた津和野まで足を伸ばすことにしました。
津和野駅前のデゴイチ。
蒸気機関車の王者、D51威風堂々。

津和野駅前、駅舎も新しくなっている。
当時はどんな様子だったか思い出すこともできない。
ただ、街中を自転車でグループ行動したことははっきり覚えています。
自転車に乗り慣れていないグループの子が砂利道にタイヤをとられて転んでしまったエピソード。
今でも同級生に会うと出る思い出話。まさにノスタルジー。

津和野カトリック教会・乙女峠
メインの殿町通りまで歩く途中、三角屋根のおしゃれな形の郵便局を発見。

白壁の土塀と掘割を歩く。
あるお店の店内に入ると鯉を自由にご覧くださいと、書いてあるので遠慮なくお邪魔して鯉にえさをあげる。
鯉のえさがおふだと初めて知った。

古民家や商店も残されていて趣があります。
でも、お店の方に聞くと最近は修学旅行生が訪れることはほとんどなくなったと、寂し気な顔をされていました。

津和野カトリック教会
1931年、ドイツのシェーファー氏によって建てられたゴシック風建築の教会です。
木造モルタル造りの建築は殿町の古い町並みでひときわ目を引く建物です。
色鮮やかなステンドグラスも美しいのです。
ちょうど出てこられたシスターは観光で訪れた方に声をかけられていました。
シスターにゆかりのある土地からやってきた方のようで、懐かしそうにお話が弾んでいました。
心なごむ光景です。


こちらは乙女峠。
谷川に沿って林の中の道を登っていくと急な坂道がしばらく続き、やがて小さなマリア聖堂が見えてきます。
1868年「浦上4番崩れ」で長崎から流配されたキリスト教信者37人が、改宗を拒み拷問により殉教した悲劇の地です。
後に、「マリア聖堂」が建てられ、世界的な祈りの聖地になりました。

5月3日は毎年乙女峠まつりが行われ、殉教者を追悼します。
隠れキリシタンに思いをはせます。
いつか長崎で隠れキリシタンの地を追う旅をしたいと思っています。

太鼓谷稲成神社
稲荷ではなく稲成神社。
お天気がよく晴天に朱塗りの神社が映えます。

お揚げが売られていたので、献上しました。
旅先ではその地にお邪魔させていただくことに感謝して神社にお参りします。


津和野ランチ
名物料理があるということでレストラン 沙羅に木へ。


ご飯の下におかずがうずまっているから「うずめ飯」
お腹にも優しく美味しかったです。
奥の間には

お土産は昔懐かしい 源氏巻。上品な甘さです。
修学旅行の時に買ったのは鮮明に覚えています。
食いしん坊なマチ。あの頃から変わっていない。

杜塾美術館
津和野地区の美術館。
立派な庄屋屋敷を修復してミュージアムとして開放しています。

この屋敷の持ち主 中尾彰と奥さん吉浦摩耶の絵画が展示されています。

お屋敷と作品は無料で鑑賞されてもらえるので気軽に立ち寄れます。
優しい色遣いの作品は病院などの大壁画にもなっています。

立派な梁。
建物も見応えがあります。

まとめ
盛りだくさんの山陰の旅。
素敵な建築、アート、地元の方との出会いがありました。
建築では何といっても 内藤廣設計「グラントワ」がナンバー1。
美しさと耐久性を兼ね備えた完璧な建築。
何十年何百年と使い続けてその場に住んでいる方が育てていける建築が理想だと実感しました。
これから作られるものはそうあるべきですね。使い捨ての時代は終わりました。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。
