アート旅ブログのマチです。
昨年の坂本龍一展以来の東京都現代美術館@清澄白河。
バブル期の東京五大粗大ゴミと批判されたことがあるけれど、この巨大な建築にどうも惹かれてしまう。
今回はコレクション展のアートレビューをお伝えします。
開催は2026年8月16日まででした。
東京都現代美術館
館内
突き出た長いアプローチと穴の開いた鉄板から公園の緑が見え隠れするところ。
毎度じっくり味わっている。
この日は平日の夕方で人影もまばら、ちょっと寂しいくらい。
メインエントランスに続く三ツ目通りに面した入口。

マンションの間からちょこっと姿を見せるスカイツリー、高さ634m。
頭だけ見える東京のシンボルタワー。

隣接するのは緑豊かな木場公園。


アート鑑賞の助けになるものが用意されいます。
展示室が明る過ぎる、音が大きく感じてしまうなど、感じ方は様々。
自分に合ったものを借りて、快適に鑑賞することができます。

コレクション作品について手話通訳も表示されています。バリアフリーな美術館は貴重。


建築設計を担当したのは柳澤孝彦氏。
柳澤孝彦氏の設計に合わせて什器(家具や器具、備品の総称)やサインのデザインをリニューアルしたのが長坂常氏。
窓際のコルクの椅子がかわいい。
一休みしたり、窓の外を眺めたり。程よい距離をあけて置かれています。

公園広場のシンボル アンソニー・カロ「発見の塔」
彩色された鋼鉄の立体作品。

突き当りの窓から見えるのは
マルタ・パン「裂けた球体」
水面に浮かぶ様がとてもよい。
よく見ると、水辺に鳩が休んでいます。


コレクション展 はじめて、びじゅつ
早速、鑑賞開始。
ポスターがはってあるボードもリニューアルされた什器の一つ。
様々な用途に使える汎用性があります。

圧倒的な吹き抜け空間。
アルナルド・ポモドーロ「太陽のジャイロスコープ」

割れた太陽の中心部分がギザギザとしていて痛そうな鋭さを感じます。

低めの階段が目や体に優しい。

残念ながら、1階展示室の作品は撮影禁止。
素晴らしい作品が多数展示されていました。

〇大岩オスカール「ホワイトオス(カ―)」
〇金氏徹平「White Discharge(建物のようにつみあげたもの)#4
〇デッィヴィット・ホックニー「スプリングクラー」
スプリングクラーから噴き出す水の表現が素晴らしい。
他にも素敵なホックニー作品が多数。
〇ロイ・リキテンスタイン「ヘア・リボンの少女」
アップになった女性の表情が三原色のドットで表現されているのが秀逸。
〇トム・ウェッセルマン「浴槽コラージュ#2」
変形パンフレットの下の作品。
女性の入浴シーンの写真に本物のタオル、便器、メイク用品などがコラージュされたインパクトのある作品。
色の配色も好き。

〇白川昌生「Tomoko & Light」
福岡出身でドイツの美術大学を卒業。フランスやドイツで作家活動を行い1983年に帰国。
地域と美術をつなぐ活動を行い作品を制作しました。
不思議な黄色い円環の作品は脚立で支えられています。
〇長井朋子「白のリコーダーで花とか黄色とか黄土色を吹く」
〇大岩オスカール「戦争と平和」
作家が住んでいた東京の下町が舞台の作品。
「戦争」と「平和」の間に何があるのか?問いかける作品です。パンフレット中段

多田美波「相(Phase)」
いろいろな角度から鑑賞して周りのものを映し出す様を味わいます。
2階に設置された立体作品。
ビルの外壁に使われる熱線反射ガラスを使用しています。
屋外に設置されると太陽を受けて違った様子を見せていくれるのだろうと想像します。

中西夏之作品シリーズ
実際に使われていた画材。
長い柄をつけた特別な筆で描いています。
点を打ったり、線を引いたり。。。

イーゼルに置かれた作品群。

~絵の生まれるところ~
中西夏之氏の作品を手がかりに掘り下げているコーナー。
微かな点を付けることから始め、まばらな点、上がったり下がったりする線、ふわふわ浮かぶ線、面も重ねられる。
手の届かないところは長い筆で描かれています。

「階段を降りる裸婦」
水彩で彩色したものにボールペンで描かれている作品。
にじみが重なっているところがよい。

「夏のために」
長い筆を手に、自分の意志とは別のさまざまな力を感じながら作品をつくりあげています。
顕微鏡で植物の細胞を観察する様子にも見えてきます。

涼やかな線と色。

「M-S・WZZ Ⅱのf」
中西夏之氏の特徴である紫、緑、白の色遣いがとてもよい。

下書きはなく、メモやドローイングを参考にキャンパスに描いていく。
点を大事にし、その上に粘り気のあるペイントの粒で補強しています。
ペイントの粒をブラシで×を描くように混ぜて新しい色を作っていく。

「G/Z夏至・橋の上Ⅳ」
躍動感のある作品にしばらくくぎ付けになります。
黄緑色の水たまりができてその周りを植物が囲っているように想像してみる。

「G/Z ヨコ型 正面の磁場」
一度集まった線が分散してく過程を描いているようにも思う。

「瀑布」
ランダムな線の重なりに水の流れやしぶきを感じます。
余白も良い感じ。
短冊のようなものは何だろうか。

石田尚志「海坂の絵巻」
墨で描かれた長さ9mの絵巻。
壁に映し出されているのは絵巻の筆運びが収められた映像が流れます。
広がりや奥行きを表現しているような。
ドローイングアニメーション。

宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」
赤色のLEDの無数のデジタルカウンターが異なるスピードで1から9まで刻み、0(暗闇)を挟んで再び数えつづける不思議なインスタレーション作品です。

時のとらえ方は人それぞれ。
自分の感覚を大事にしたい。
常設設置されてから、26年の歳月が流れています。

佐藤慶次郎「ススキ~波~」
ステンレスの軸についたスチロール製の球が静かに上下する作品。
風にそよぐススキのように、ゆらゆらと~。
土台につけられたモーターの磁石と振動が軸を通して球に伝わる仕組みです。
観察しながら無心になれるような気がします。


ミュージアムカフェ・レストラン
軽食なら2階へ。

素敵な階段。

食事なら階下へ。
美味しいランチがいただけます。

ミュージアムショップ
展覧会のグッズが豊富。


ショップから続く中庭。螺旋階段もクルクルとかわいい。


基本情報

アクセス


近隣立ち寄り
清澄白河駅からの道すがら、霊厳寺。

美術館の目の前はハンバーガーショップ。

まとめ
東京都現代美術館、コレクション作品の充実ぶりに改めて感心した今回の鑑賞でした。
写真がないのが残念ですが、リキテンスタインやホックニー、ウェッセルマンの作品がとても良かったです。
盛りだくさんの展示が500円で鑑賞できるのはお財布にも優しい。
学生さんが現代美術に親しむ機会になればいいのにと、独り言ちするマチ。
次回の展覧会「台湾美術とキュレーション」も楽しみ。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。

