アート旅ブログのマチです。
念願かなってVILLA COUCOUを訪問した。
VILLA COUCOU 代々木上原駅から徒歩10分の閑静な住宅街に建てられている。
邸宅前には建築ファンが見学ツアーの開始を待っていた。
この日は生憎の冷たい雨。今春最後の寒の戻りだという。



建築について
世界三大建築家の一人、ル・コルビュジェに師事した日本人建築家には前川國男、坂倉準三、吉阪隆正の3人がいる。
VILLA COUCOUは吉阪隆正がアルピニスト仲間の友人(近藤氏)の私邸として設計し、1957年に建てられた。
2021年にオーナーが変わり、内装外装をリニューアルし昨年から一般公開が始まった。
COUCOUにちなみ?毎月9,19,29日 1回定員10人、45分の見学。
見学は予約ですぐに埋まってしまうので、計画的にとることがおすすめ。
見学予約←こちらまで

小さな明り取りの窓ガラスはカラフルでとても可愛い。

住みやすさを重視して改装されていたところを吉阪隆正設計当初の状態に限りなく戻す試みがされている。
天井のライティングも間接照明になっていて優しい光を放っている。

作り付けの棚はモンドリアンの発想からデザインされている。60年経っているとは思えない素敵なデザイン。

窓もアートだ。ひび割れの補強さえもよい。なくべる当初のままに再現されている。
素材の違うガラスを使っていて窓もアート作品に見えてくる。

2階の窓からの景色。1階のひさしの上に石を敷き詰めている。

書棚にはアートや建築関係の本が並べられている。

書斎机から見える景色も緑があって落ち着く。目隠しもいい感じだ。

トリコロールの配色はル・コルビュジェの影響か?素敵なアクセントになっている。

家具はほとんど作り付けでコンパクトに収納できる。機能的に住まえる工夫がしてある。

VILLA COUCOUの現在のオーナーは女優の鈴木京香さん。取り壊しが予定されていたところを私財を投じて買い取リニューアル一般公開してくれた。
古いものを壊しすぐにスクラップ&ビルドする日本では貴重な行動だ。本当にありがたい。
建築を学んでいる若者にも是非観てもらいたいと思う。

部屋のあちこちにさりげなく置いてある版画やオブジェは全て京香さんの私物だそうで、現代アートにも造詣が深いことがよくわかる。

鈴木京香さんの事務所スタッフさんは最高のホスピタリティで建築について解説してくれる。

内装のリニューアルは新素材研究所が担当、「空々てい」と名づけ揮ごうしたのは杉本博司。
ここでもタッグを組んでいる。

庭園を任されたのは美術家の杉本博司。いかんなく力が発揮されている。

庭に建つのはアルピニス塔。竹ぼうきの垣根は杉本博司の得意技。
雨に濡れた庭石は黒々と艶やかに。椿の花を引き立てている。


「あと5分です。」の声掛けまであっと言う間の見学。
美しいものを残して活用することの貴重さを実感した1日だった。
近隣ランチ
☆デュボワ
代々木上原駅から徒歩10分の小さなレストラン。
席数も限られているから、予約するのがおすすめ。


店内もおしゃれで落ち着く。

ランチメニューのハンバーググラタン。付け合わせのおいしい野菜もたっぷりと。

雨でもなんのその。美しいものがあれば、どこにでも飛んでいく。
そんな気持ちでアート活動を続けよう。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。