アート旅ブログのマチです。
今回は新緑の中、建築をもとめて北鎌倉へ向かった。
浄智寺

寺前を通過することは何回もあったけれど、訪ねたの初めて。
動機はお寺にある白井晟一設計の建築物。
美しい新緑の中、苔むした石段をあがって境内へ向かった。
寺史には、鎌倉幕府第5代執権北条時頼の三男宗政が若くして亡くなった折に、菩提を弔うために1281年に建立された、とある。
建築としては宗風という当時の中国の様式が見られる。

現存する鐘楼門。

本堂である曇華殿には木造三世仏坐像が安置されている。三体は人々の願いを聞き入れてくださるありがたい仏像である。(神奈川県重要文化財)
初めてのお参り、訪ねることができたことに感謝する。
屋根の反り具合が美しい。日本建築の安定と調和、シンメトリーの美。

庭から見た書院。屋根の感じが建築家白井晟一のテイストを想起させる。

茅葺の屋根が周りの木々と一体となって味を出している。

雲のどか、確かに。そういう気持ちが自然とわいてくる。

寺内にはシャガの花がたくさん見られた。


立派なタケノコが育っている。まじまじと観察。福田平八郎の絵画を思い出す。

うぐいすやその他の野鳥が競ってさえずる中、竹林を歩く。とても気持ちがよい。
鎌倉の喧騒とは隔絶された空間がある。
行きかう人はインバウンドが圧倒的に多い。自然と笑顔を交し合う。



布袋様のおなかをさするとご利益があるとか。

抹茶スイーツのような苔むした石。

開かれた障子の向こうに見える緑のリフレクションが畳に映る。これぞ日本の美!
白井晟一は昭和のモダニズムとは一線を画し、独自の造詣や美的感覚をいかして設計を行った建築家で「哲学の建築家」と評された。
光の取り入れ方を工夫し、空間に奥行きを与えている。陰翳礼讃の世界を作り上げている。素材の質感や色合いにもこだわり建築に深みをもたらしている。
代表作には、渋谷区立松濤美術館や静岡の芹沢銈介美術館、東京のノアビルなどがあり、その特徴が見られる。
マチの過去のブログも参照ください。
須田悦弘 渋谷区立松濤美術館

浄智寺の庫裡も白井晟一建築の一つだ。庫裡は住職の居宅になっているため、御朱印をいただく人以外は入れない。残念ながら御朱印集めをしていないマチ、入口と外観だけを鑑賞。
天井や柱に特徴が出ていると、行った方のブログに記載されていた。機会があったら、是非見学したい。


木造観音菩薩立像 南北朝時代造
ありがたいお姿。

八重桜のじゅうたん。散ったあとも楽しめる桜。これも日本の美。


北鎌倉グルメ
北鎌倉駅から浄智寺までの道すがら、魅力的なお店が並んでいて散策の足を止める。
☆CALVA
チョコレート好きにはたまらない、チョコレートスイーツ専門店。
店がまえもおしゃれ。



絶品パニーニ食べてみたい。

☆喫茶 吉野
女人救済の縁切り寺で知られる東慶寺の階段下にある昭和レトロな喫茶店。

瓦屋根にレンガ作りという和洋折衷の外観。鎌倉市内にいくつかの建物を残している鎌倉在住の建築家榛沢敏郎設計。
店の内装もレトロで素敵。次回は店内で珈琲とフルーツケーキをいただきたいと思う。


東慶寺には梅がたくさんある。

東慶寺の歌碑。

☆Tekeru Quindici
窯焼きピザ、自家製パスタ、海鮮料理を提供する古民家レストラン。
鎌倉マダムが行列をなしていた。予約がすぐに埋まってしまう人気店のようだ。
外観からしておしゃれ。



☆LA PETITE BOULAGERIE
海外経験豊かな職人さんのパン屋さん。ハード系を中心にシンプルで力強いパンが並んでいるそうだ。
可愛らしい店構え。


☆鉢の木
素材にこだわった和食の王道。
建長寺前の小さなお店がはじまり。

番外編
☆蔵屋
古民家をリノベーションしたアンティークを扱うショップ&ギャラリー。
店内の梁が立派。
この日は「古布と遊ぶ 二人展」開催されていた。



仕事前のすきま時間に充実した北鎌倉散策だった。
街歩きは楽しい。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。