茅ヶ崎市美術館 美術館建築

茅ヶ崎市美術館 国内アート
茅ヶ崎市美術館

アート旅ブログのマチです。

五月晴れの気持ちの良い連休のはざま。
久しぶりにお気に入りの美術館のある茅ヶ崎方面へお出かけ。

茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

展覧会

<建築~アートと建築が包み合うとき>
山口洋一郎、内藤廣、坂茂、三分一博志、西沢立衛、坂倉準三、ル・コルビュジェ 錚々たる建築家の設計図やマケットが展示されている展覧会が開催されている。
テーマは「サイトスペシフィックな建築」
確かにどの美術館も周りの景観、環境との調和が素晴らしい。

茅ヶ崎市美術館 美術館建築
茅ヶ崎市美術館 美術館建築

☆茅ヶ崎市美術館

茅ヶ崎を愛してやまない地元の建築家である山口洋一郎氏の設計。
詳細はこの日に開催される講演会で明らかになる。
いつも素敵な空間演出だなぁと、思っていたけれど、理由がよくわかった。

松籟荘マケット
松籟荘マケット
茅ヶ崎市美術館資料
茅ヶ崎市美術館資料
茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

建物にふわっと屋根を乗せたかったという山口氏が語っていた。支える柱が少し内向きになっている。その分細い柱が2本ずつ使われていて浮遊感が出ている。

松籟荘資料
松籟荘資料

帝国ホテルでも使用されたスクラッチレンガ。

茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

何とも言えないブルーグリーンの外壁は湘南茅ヶ崎のイメージからきているそうだ。
落ち着いた色合いで海街の雰囲気を醸し出している。
実際の壁をみるとよくわかる。

☆島根県芸術文化センター

まだ未踏の島根文化センター。昨年今年と注目している建築家内藤廣氏の設計。
地元の石州瓦が使われていて、釉薬の違いで玉虫色に変化して見える屋根や外壁が特徴的だ。
来年こそ訪ねたい。

島根県芸術文化センター
島根県芸術文化センター
島根県芸術文化センター
島根県芸術文化センター

何とも言えない味わいのある色の瓦。光の当たり具合で色が変化する。

☆下瀬美術館

設計は世界中の被災地に赴き復興を支援する坂茂氏。とても温厚で誰にでも気軽に話しかけてくださる方だ。
下瀬美術館は瀬戸内海に面したロケーションが最高で、カラフルな可動式の展示室が海に映える。
広島の造船技術を活用している。
エミール・ガレの庭園、瀬戸内海に面したレストランもとても素敵だ。

下瀬美術館
下瀬美術館

可動式展示室の外壁のカラー。色の組み合わせも絶妙。

下瀬美術館
下瀬美術館
下瀬美術館
下瀬美術館

☆犬島精錬所

瀬戸内海の犬島に作られた銅精錬所の遺構を活用し、風・水・太陽の自然エネルギーによる循環型建築を作り出した。三分一氏がイノベーションを行い「犬島精錬所美術館」とし、柳幸典などの作品を展示している。

犬島精錬所
犬島精錬所

地中熱を循環させて、自然エネルギーを利用した環境に負荷をかけない建築。

犬島精錬所
犬島精錬所

銅を製錬する時に発生するカラミ煉瓦が工場跡に使われている。

犬島精錬所
犬島精錬所

大規模な精錬所を彷彿とさせる多くの遺構が良好な形で残されている。
美術館には名物おばあちゃんがいて、犬島について解説してくれた。5年前の思い出。

アクセス

茅ヶ崎市美術館 HPより引用
茅ヶ崎市美術館 HPより引用
茅ヶ崎市美術館 HPより引用
茅ヶ崎市美術館 HPより引用
茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

機能的にしかも美しい階段を作りあげる。専門のデザイナーが手掛けている。

茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

真横からのシルエットも鑑賞ポイントだそうだ。

茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

展示室の東側は3階まで吹き抜けになっていて、天窓からの光が降り注ぐ。明るさと開放感にあふれている。

茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

カフェの入口。

茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館

緑が豊かでとても癒される。

茅ヶ崎市美術館 前庭
茅ヶ崎市美術館 前庭

高砂緑地が保全されている。美術館へのつづら折りのアプローチもワクワクした気持ちを演出してくれる。

講演会

<建築家による講演会>

講演会の全6回すべて満席。この日は茅ヶ崎市美術館を設計した地元の建築家、山口洋一郎が登壇。
会場である美術館から徒歩10分の「木熨斗」へ。会場だけでも拝見したという気持ちで訪れた。
この居宅は山口洋一郎氏の父が市川段四郎から譲り受けたもので、失火により全焼してしまったため、息子である山口洋一郎氏が両親のために設計した建築になる。
「木熨斗」は現在では空き家になりレンタルスペースとして貸し出されている。

木熨斗
木熨斗

スタッフさんのご厚意で入口だけ見せていただいた。そこへ山口氏が出てこられた。
「今日は講演を拝聴したかったのですが、満席で。」とご挨拶すると、空きがあるか確認してくださり、「大丈夫そうだから是非聞いていきなさい。」と、先生の一声で講演会に参加できることになった。

木熨斗
木熨斗

地域を考える美術館ー茅ヶ崎市美術館<サイトスペシフィックな芸術>


自然や風土に合った建築を設計する意義を丁寧に解説してくださる。
講演中も爽やかな湘南の風がそよそよと部屋に流れこみ気持ちが良い。
地域に根差した作品は多岐にわたる。
山口洋一郎氏はミース・ファンデルローエ、清家清、篠原一男などの建築家の影響を受けている。
代表建築は、茅ヶ崎市美術館、県立湘南高校、高砂文化センター、カトリック富士見教会、カスヤの森現代美術館など。
建築は建てて終わりでなく、地域全体で保全し使い続け育てることが大切だと締めくくっていた。

木熨斗
木熨斗
木熨斗
木熨斗

講演後、先生自らお見送りしてくださる。
講演中に語られたフランク・ロイド・ライトによる「落水荘」は未踏だと、こっそり教えてくれた。
山口洋一郎先生、人間味あふれる素敵な建築家だと知ることができてとても良かった。
茅ヶ崎市美術館を訪れるたびに思い出すと思う。
建築やアートを追いかけると、こうして一期一会の出会いがあるからやめられない。

木熨斗
木熨斗

近隣建築

中海岸交番
中海岸交番

建物を支えている柱は山口洋一郎氏の特徴。可愛らしい交番だ。

高砂文化センター
高砂文化センター

西向きに高い建物がないので、2階のテラスから富士山が見られる。

近隣カフェ

☆茅ヶ崎市美術館 ミュージアムカフェ

ミュージアムカフェ
ミュージアムカフェ

山口洋一郎氏お勧めのカフェレストラン。味は先生のお墨付き。

☆Pain de Nanosh

チーズパンが大変美味。
どれもおいしそうだった。また寄り道しよう。
イートインもあり。

Pain de Nanosh
Pain de Nanosh
Pain de Nanosh
Pain de Nanosh

建築というアートにひたった連休の1日。

次はどこへ行こうか。

アートっていいなぁ。今日も心豊かに。

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2025年 6月号 [万博と建築]【電子書籍】[ カーサブルータス編集部 ]
タイトルとURLをコピーしました