アート旅ブログのマチです。
パリのピノーコレクションでねずみの作品を観てからすっかりライアン・ガンダーのファンになってしまった。
日本で作品を鑑賞できることがわかって箱根まで足を伸ばした。
左上:いつもお出迎えしてくれる小さな彫刻。
左下:ポーラ美術館 屋外散策路
右上:「無題」フェリックス・ゴンザレス・トレス ネオンアート。
右下:「かんかん帽」佐藤忠良 フォルムが美しい。

展覧会
お目当てのライアン・ガンダーの作品は美術館入ってすぐのアトリウムギャラリーにいきなり展示されている。
ワクワクする気持ちを抑えながら、少しずつ鑑賞していく。

「孤独なまま、幸せでいられるの?」
ずっと孤独だと寂しいけど、一人の時間って大切じゃない?って自問自答する。
素敵な投げかけ。

「生産と反復を繰り返しながらも君は自由を夢見ている。」
カラフルな鳥が鳩時計の中から現れて、寓話を聞かせてくれる作品。
首の振り方もリアル。

「閉ざされた世界」
使われなくなった小さなおもちゃをまっすぐきれいに並べていく作品。
ガンダーさんの息子が熱心に取り組んでいることから着想しているようだ。


左上:「クロノス・カイロス、3時2分」
2つの同じ看板を少しずつずらして二重に見えるようにしている。
左下:輝くカルチャーフィールドへの舵窓。
手は届かないけど、その先は空想の世界が広がっている。

「君が僕を完成される、あるいは君に見えないものが見える」
カエルの物語 アニマトロニクスのカエルがずっとわかっていようとすることについて語っている。哲学的。


「物語は語りの中に」
ギャラリーの壁に空いた穴から、顔を出すねずみ二匹。
自分たちがどこから来て、何のためにいるのか語りあっている。
アニマトロニクスのネズミはとてもよくできていて、思わず聞き入ってしまう。
仲が良いのか悪いのか。

ライアン・ガンダーさん、曰く「身の回りにあるあらゆるものが素材になる。」
相反するものが混在するということなのか?考えさせられる展示だった。
ガンダーさん「疑うこと」「問いを立てること」の価値を作品から示している。
忘れてはならない視点だと思う。
そして、生き物に癒される。
屋外作品を自ら案内してくださったスタッフさん。
ガンダー作品への思い入れの強さやアートファンへのホスピタリティが素晴らしかった。
アートを通しての関わりって本当にいいなぁ~と、いつもながら思う。

右上:シニャック「フリシンゲン湾」
右中:ゴーガン「白いテーブルクロス」
右下:ゴッホ「アザミの花」

左上:アルベール・マルケ「冬の太陽、パリ」
左中:マティス「オリーブのきのある散歩道」
左下:ムンク:「犬のいる自画像」
右上:岸田劉生「夕陽」
右中:岸田劉生「虎ノ門風景」
右下:川上涼花「鉄路」
ムンクはオスロの郊外で住居とアトリエをかまえて創作活動をしていたそうだ。
犬と馬を飼って世話をする日常を送っていたようだ。
岸田劉生はポスト印象派特にゴッホの影響を受けて自身の作品を制作していた。
太陽の光の広がりをマチエールに残しながら描いている。
「虎の門風景」は海軍の赤い建物、中景の緑、前景の路面電車線路の構図と色彩のバランスが絶妙だ。
川上涼花は大塚側から池袋方面を望み線路を中心にとらえた構図で描いている。
太陽に向かう長いストロークの筆致が特徴的だ。

左上:萬鉄五郎「太陽の麦畑」
左下:佐伯祐三「オーヴェールの教会」
右上:前田寛治「メーデー」
右下:佐伯祐三「アントレ ド リュード シャトー」

ゴッホ「ひまわり」複製
神戸の空襲で焼けてしまった個人蔵のゴッホ作品を陶板で再現している。
紺と黄色の対比がよい。焼失してしまったのが残念。
向日葵が擬人化されているように見える。

中村つね「向日葵」
神戸の作品をオマージュしたもの。


福田美蘭「ゴッホをもっとゴッホらしくするためには」
こちらはゴッホをオマージュした現代アート。
画材はアクリル絵の具。

桑久保徹 言葉を重ねていく女
1983年神奈川出身。多摩美卒業後、自分の中に「架空の画家」を設定し、その画家を通して創作活動をしている。

視点が面白いので、これから注目していこうと思う。
新しい作家に出会えるのも嬉しい。
アクセス



近隣アート
☆ガラスの森美術館
展覧会
「軌跡のきらめき」神秘の光彩、ガラスと貝細工 開催中。
まるで、中世のイタリアにタイムスリップしたようの空間を楽しめます。
マチブログ 麗しの箱根ガラスの森美術館 参照ください。
アクセス:ポーラ美術館から車で3分。バスで10分。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。
