ひろしま国際建築祭 新勝寺・尾道市立美術館

尾道市立美術館 国内アート
尾道市立美術館

アート旅ブログのマチです。
瀬戸内国際芸術祭に参戦するため、空路で広島方面へ。
ANAのセール便を予約できたので、新幹線よりも安く往路を確保。
まずは、広島スタート。

新勝寺 禅と庭のミュージアム

新勝寺は2回目。
今回は建築祭の会場になっているということで訪ねてみた。

左上:入口入ってすぐに見えるのが、草屋根で有名な藤森照信の建物。
池の周りに含空院、慈正庵など配置されている。
秋晴れの空にお寺が映える。今年の秋は気温が高く晴れると暑いくらいだ。
ちょうどよい季節は短いかもしれない。

いつもは非公開の国際禅道場。
門も立派。初鑑賞。

道場の天井には「双龍図<阿吽>」丸山國生 作。
どこに移動してもギロッとした目が追いかけてくる。

畳一枚ほどの大きさの紙63枚が使われている。
人間国宝第9代岩野市兵衛が特別に漉いた紙に「香れん」という墨で描かれている。
4爪に握られる玉が特徴的。

貴重な天井画を拝見した後はランチ。
「五観堂」で名物のうどんをいただく。
建築祭中なので、細めのかけうどんと塩のおにぎり一択。美味しい薬味をかけて味わう。
テラス席でうどんを食していた外国人との会話。
仕事の都合で日本に滞在しているそうで、日本の建築を見て回っているという。
白いしゃれた建物が多いけれど、コンセプトがしっかりしている坂茂さんの作品がお気に入りのようだった。納得。

食前にお経を唱える。

入口の佇まいに惹かれて茶室「残月亭」をのぞくと、スタッフさんが案内してくれて、立て板に水の説明が始まった。
茶道には、表千家、裏千家、武者小路千家の3つの流派があり、床の間のしつらえにも違いがあるとのこと。
畳2畳分使用するのは表千家。

昔は照明もないので陰影礼賛。現代では照明器具をところによって使用している。

いよいよ、ひろしま国際建築祭2025の会場のある本堂へ。
左上:本堂
左下:前庭
右上下:丹下健三自邸の再現
神原・ツネイシ文化財団建築文化復興プロジェクト。
戦後の建築界をリードしてきた丹下健三の成城の自邸を福山に再現する計画がある。
建築祭では、その1/3模型を展示している。

室内にはイサム・ノグチの「AKARI」の照明や篠田桃紅の作品が飾られていたことがわかる写真が展示されている。
高床式のピロティが特徴的で、垣根もないので近所の子どもがたくさん遊びにきていたというエピソードもあった。
蝶ネクタイを身に着けてダンディな丹下健三。蝶ネクタイは村野藤吾だけではなかったのだ。

NEXT ARCHITECTURE では未来を担う5人の建築家のマケットなどが展示されていた。
藤本壮介、石上純也、川島範久、Cloud Architecture Office、秋吉浩気。
それぞれにコンセプトを披露している。
石上純也の山口県のレストランはインビテーションがなければ入れない。ハードル高し。

SDGS 再利用される素材を活用していることなどがこれからさらに求められる。

新勝寺の鐘撞にはコツが必要だ。心地よい音を響かせるために。
大音量になっていしまった時は走って逃げるしかない。

草屋根は健在。木を囲うトタンも焼杉のような質感を出している。
藤森照信の真骨頂。

今回は時間の関係で名和さんの「洸庭」には寄れなかった。
団体さんの貸し切りの時間帯に当たってしまった。そんな時もある。

尾道市立美術館

建築祭、次の会場 尾道市立美術館へ。
猫の館長さんはこの日はお休みだった。絵葉書にもなっている名物警備員さんに聞くと、「最近は姿を見せないので心配です。」と、言っていた。
館内に入れない館長さんだけど、会いたかったなぁ。

日本でプリツカー賞を受賞している9人の建築家にフォーカスした展覧会。
<ナイン・ヴィジョンズ 日本から世界へ飛躍する9人の建築家>
丹下健三
槇文彦
安藤忠雄
妹島和世
西沢立衛
伊東豊雄
坂茂
磯崎新
山本理顕

美術館の外壁装飾もカッコイイ!

入口の手前には、坂茂さんの仮設テント、机、いす。
再生可能で丈夫な紙管を使ってテントから家具までなんでも作れる坂茂氏。
何年か前の瀬戸内国際芸術祭でお話した時に、人柄=コンセプトだと確信した。
土台はキリンのビール箱。
阪神淡路大震災の時に仮設の土台としてビール箱を提供してくれたのがキリン。
企業のボランティアシーを強く感じる。

左上:丹下健三 広島平和記念資料館のマケット。
左下:ココナッツチェア、スリングチェア。
右:伊東豊雄 台中国家歌劇院のマケット 曲線と各所にあけられた穴が特徴。
来年あたり台湾建築旅をしたいなぁ。

左上:坂茂 万博 ブルーオーシャンドーム 木と紙、カーボンファイバーが使われている。
万博で一番素敵なパヴィリオンだった。
マチブログ 大阪万博 Part2 海のパビリオン ご覧ください。
右下:下瀬美術館 日本でベスト3に入る絶景の美術館。瀬戸内の景色も含めて本当に素晴らしい。

尾道市立美術館 ところで設計は誰がしているのか?シンプルだから日建設計かなぁーと思いながら階段を降りる。
美しい奥行き。
ふと、検索してみる。なんと、設計は安藤忠雄氏。しまったそんな目で見ていなかった。
もう一周して確認。
左上:近隣の千光寺をオマージュした和風の屋根の陰が館内の壁に映る。

左上:坂茂氏の能登珠洲の仮設マケット。宝立地区恒久仮設木造住宅。
右上:千光湧水

山本理顕氏のブースは写真のみの展示。なぜなら、マケットのほとんどは横須賀美術館に展示されているからである。
マチブログ 山本理顕展@横須賀美術館 ご覧ください。

次のプリツカー賞はだれに授与されるのか来年が楽しみだ。是非日本人建築家に。
建築というアートを堪能した尾道だった。

ONOMUCHI U2

尾道のサイクリストが立ち寄り宿泊する施設、U2。
ロビーには名和さん率いるサンドイッチが手掛ける作品「MOLECULAR CYCLE」
サイクリストをイメージしているそうだ。分子構造の連続。
館内のデザインもおしゃれ。

対岸に見えるのは向島、大きく見える。
建築祭の一画には若手建築家の試みが展示されている。

尾道グルメ

尾道と言えば、坂道、映画「転校生」、猫、ラーメン。
夕食は尾道ラーメン。一番人気の「丸ぼし」に入ることができた。
滅多にラーメンは食べないマチにとっても美味しいラーメンだった。
背油は控えめにしてもらい、隠し味の小魚のスープを味わった。

尾道商店街の中ほど。

アートっていいなぁ。今日も心豊かに。

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