アート旅ブログのマチです。

観たい展覧会の会期末が迫っていたので、三重県まで足を伸ばすことにしたマチ。
思い立ったらすぐ行動!
人生2回目の三重県訪問、多分40年ぶりだ。
行き方を調べると近そうで意外と遠いことが判明。
新幹線と近鉄特急に乗車して三重県津に向かった。
三重県立美術館
津駅から徒歩10分ほどで初めての三重県立美術館に到着。


POP ART:THE FAB4!
ビートルズの愛称「FAB(The Fabulous4 素晴らしき4人)」になぞらえてポップ・アートを代表する4人を紹介する企画になっている。

今回の企画展で特に目を惹いたのはウォーホルと並びアメリカポップアートを牽引したロイ・リキテンスタインの作品だ。
新聞掲載の漫画の1コマを印刷インキのドット(ベンディドット)まで含めてキャンバスに拡大して描いた作品の面白さを改めて鑑賞することができた。
ドットの大きさや色彩で微妙なグラデーションを描き分けている。
強烈なインパクトと表現が魅力的だ。
赤・黄・青の三原色を中心に使われているのはモンドリアンにも共通している。
ロイ・リキテンスタイン「少女の上に反射」 三重県立美術館所蔵
緑の濃淡の枠と反射する部分のドット&シルバーがとても良い。

ポップアート4人以外で良かったのはスペインのホセルイス・ロペルス氏のコレクションのロバート・インディアナ「LOVE」シリーズ。
赤・青・緑の色の対比と文字デザインが秀逸。
シンプルなのにシンプルだからこそ何度も見たくなる。

その他、ジェームズ・ローゼンクィストは看板書きのテクニックを応用して作品を制作している。
トム・ウェッセルマンは日用品を消費財としてではなく美的に使った点が他のポップアートのアーティストと異なる点になる。
いずれも撮影はできなかったので、どこかの展示で再会したいと思った。
美術館のコレクションⅢ期 三重県立美術館名品撰
左上:ムリーリョ「アレクサンドリアの聖カタリナ」
バロック期のスペインの画家。
画面全体に薄もやがかかったような夢幻的な作風が特徴的だ。
左下:モネ「橋から見たアアルジャントゥイユの泊地」
朝もやの港の風景のようだ。視線が手前から奥へ誘われていく構図になっている。
右上:ボナール「ヴェルノンのセーヌ川」
自宅付近の風景画で、印象派からの影響が見られる。
ミロ「女と鳥」 ポンポンとおかれたカラフルな色彩が良い。

シャガール「枝」
天に浮かぶのはシャガールと奥さんか。
背景の青の濃淡が人物や花をひきたてている。三日月にエッフェル塔が溶け込むように描かれているのも何とも言えなく素敵だ。

左上:ダリ「パッラーディオのイタリア柱廊」
イタリアの建築家パッラーディオの劇場に魅了されて描いた作品。ゆらゆらとした人が柱のように遠近法を使って描かれている。奥には縄跳びする少女のモチーフが見える。
右上:久米桂一郎「秋景下図」
右下:佐伯祐三「サンタンヌ教会」
暗めの色調の中の赤がポイントになっている。絵の具で塗られた壁をひっかき味を出している。

左上:ローゼンクィスト「話し中」
企画展にもあったローゼンクィストの作品。広告のようなコラージュ作品にも見える。
左中:ローゼンクィスト「水漏れする音」
左下:藤島武二「海(日の出)」日本の印象派のようだ。
右上:林義明「南紀真夏の海」
右中:藤島武二「大王岬に打ち寄せる怒涛」三重県を訪れた時の風景。
右下:牛島憲之「貝焼場」シリーズのうちの1点。鮮やかな色調で働く人をいきいきと描いている。

左上:小川詮雄「漁村の夏」
点描のポスト印象派の影響を感じさせる。
左下:デュフィ「黒い貨物船と虹」
黒い色面をひっかいて貨物船の輪郭を描き出している。
右上:島田章三「岬にて」幾何学で人物と風景を描いている。
右下:森秀雄「偽りの青空ー古典的美容法」
三重県鈴鹿市出身の画家。小磯良平に師事する。青空を背景にした写実的人物画で知られている。
エアブラシを用いた手法を使っている。
コレクション作品の中のお気に入り。

ルネサンスから現代まで寄贈作品も多数あり、充実したコレクション作品を鑑賞させてもらった。
県立美術館の常設展は侮れない。
柳原義達の芸術
柳原義達はカラスや鳩をモチーフとした「道標」シリーズや「犬の唄」といタイトルの女性像などで知られている作家だ。
作家本人から主要作品と関連資料の寄贈を受けたことで柳原義達記念館が開設された。

「彫刻は触感芸術」という作家の空間認知の特徴が見られる。
手跡が残る作品から温かみやモチーフから醸し出す何とも言えぬ雰囲気を感じ取ることができる。

世間的には嫌われる存在のカラスに愛着を持ち繰り返し作品モチーフにしている。

窓外をバックに展示される鳩。
逆行に映える。

館内アート
飯田善國「Xのコンストラクション」
安曇野のハーモニックドライブシステム工場のTRIAD IIDAで作品展示をみた飯田氏の立体作品。
カラーはアルファベットと関連し合っていたと記憶している。
三重県で出会うとは。
安曇野・松本アート旅 ブログも合わせてご覧ください。
右下:マンズー「ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車」

左:多田美波「曙」
エントランスホールの壁面に設置されている作品。
テラコッタ 伊賀焼タイルとステンレスという違った素材を組み合わせて作られている。
炎のグラデーションのようで美しい。
右:ミュージアムショップに積み上げられたウォーホルのスープ缶。

館内に置いてある天童木工の剣持勇デザインの柏戸いす。
重量感があってシルエットも可愛らしい。

2階からの俯瞰図。

江口週「ふたたび翔べるかー柱上の鳥」

屋外アート
井上武吉「my sky hole 82」 アプローチに堂々と置かれている存在感!
階段状の切り込みや奥に空いた小さなホール、なぞの楕円のデザインがよいなぁ。
経年変化した鉄の表情も味を醸し出している。

左上:田畑進「NOKOSARETAーKATATI」
ミニリチャードセラみたい。
左下:湯原和夫「無題」
右上:八ッ木のぶ「象と人」(異邦の夢)
下の部分が象だとは、キャプションを見るまで気付かなかった。

左下:多田美波「作品91」
ステンレスの波打つような曲線が美しい。
周りの景色が映り込むのも楽しめる。

石原秀雄「暗室の王」駐車場の入口付近にある作品。
暗室に籠る王を描いたタゴールの戯曲から発想しているそうだ。
気を付けないと見逃してしまう。

アクセス

松坂の街
今回の旅の投宿地は松坂に決定。
最近のホテル代高騰の中、比較的リーズナブルな価格のホテルが多く選択したのだ。
松坂と言えば「牛」。牛さんもクリスマスバージョン。

観光案内所で尋ねると、見所は松坂城跡と本居宣長の居宅近辺と教えてもらった。
左上:ライオン像は老舗デパート三越から送られたものだ。
三井家の始祖 三井高利が松坂出身で全国に知られる大商人だったことに由来している。
右:松坂の豪商の家に生まれた本居宣長は医者で国学者、独自の美学を持っていたそうだ。

城跡は公園になっていて、その中に本居宣長の居宅が移設されている。
昔ながらの街並みが残っている。

城跡の上からは御城番屋敷の黒い屋根が見える。

松坂でも紅葉が綺麗。銀杏のじゅうたん。

御城番屋敷の一部が解放されている。
重要文化財として保存されていて見学ができる。

高そうなすき焼き屋さんはちらほら見かけるけれど、気軽に入れるお店が見つけられなくて残念だった。
現代アートは存分に楽しめた三重県一日目だった。
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。


