アート旅ブログのマチです。
新春の美術館訪問は神奈川県立近代美術館鎌倉別館。
久しぶりにへ行ってきました。

神奈川県立近代美術館 別館
建築物
1951年に開館した美術館は、前川國男に師事した建築家大高正人の設計のもと建てられた。
山に挟まれた住宅地に溶け込むように工夫されている。
キャンティレバー構造で(片持ち梁)を用いたエントランス上の左右に飛び出した2階部分が特徴的だ。
とてもカッコイイ。モダニスムの境地。


堂々としたシンメトリーの外観がとても良い。
大きくしつらえられた窓からの光も優しい。
館内は落ち着いた雰囲気。

展覧会 川口起美雄 Thousannds are Sailing

1951年長崎市出身の川口起美雄。
1974年に渡欧しウィーン幻想派の画家に師事し、北方ルネサンスの古典技法テンペラの絵具の混合を学んだ。
現在は大磯で制作活動をしている。
展覧会のサブタイトルにあるように苦難の中に希望をもとめて人生の旅を続ける人々に深いまなざしを向けている。
左下:「緑色研究所」
フィレンツェのウフィツィ美術館修復室でイタリア古典技法を学び、イタリア・ルネサンスの絵画で用いられた黄金背景が取り入れられている作品。
右上:「背中」 有元利夫氏の作品を思い出した。
ふくよかな体形に小さな頭部。
右下:「故郷を喪失したものたち」
不安定な政治情勢の中、国を追われた学生と出会い、安住する場を持たず旅を続ける人に思いを馳せて制作をしたそうだ。

左:「アンダンテ」 右:「ウサギの肖像」
ウフィツィ美術館所蔵の「ウルビーノ公夫妻像」を彷彿とされる。

「櫂をくわえて北へ飛ぶ鳥」
よく見ると木切れで表現された櫂をくわえた大きな鳥が見えてくる。
櫂や渡り鳥は、旅を象徴するモチーフとして作品に繰り返し登場する。
超写実。

左:「垂直の風景」 右:「虹の皮膚」
1990年ごろからオブジェ作品の制作に取り組んでいる。
試験管の顔料を詰めて表現している。
色彩が美しい。

左上:「夜のサーカス団(グランドマヂックサーカスⅡ)」
群青色のグラデーションがとっても良い。
左下:「エーテル体の私の肖像」
マグリットを想起されるシュール作品! マチブログシュール№1 マグリット
右上:「眼たちー分解するイシ」
左に試験管が見える。
右下:「午後の浮力」

「境界」
1990年代に描かれた建造物連作のひとつ。
ウィーンに住んでから境界について強く意識したそうだ。
建物の重なり具合や小舟、渡り鳥のモチーフが特徴的だ。
エストニアの旧市街タリンの街で観た建築 ふとっちょマルゲリータを思い出す。

左上:「机の上の旅」
左下:「セルロイドの羊たち」
今作はファン・エイク兄弟による祭壇画「神秘の子羊」へのオマージュ。
右には神秘の子羊が捧げられた祭壇が置いてある。
中央には「羊たち」に見立てられたセルロイド人形が。
一昨年のベルギー旅行を思い出した。
こちらも是非ご覧ください。→神秘の子羊 アントウェルペン王立美術館
右上:「丘の上に咲く」
二本のバラの木の間に座礁した舟が見える。嵐の去った後、バラは希望の象徴だそうだ。
右下:「画室」
カンパネッラのユートピア小説「太陽の都」の前に、小さな卵と画用液の入った小瓶が置かれている。
川口起美雄はテンペラという顔料をカゼイン、膠などの乳化作用を持つ物質で溶き合わせた絵の具で描く技法を使っている。
色彩が明るく細かい描写に適している。
暗い色にも透明感がある。

「別れのワルツ」
映画や本のタイトルのようで素敵だ。
早朝のミュンヘン駅を描いている。手前の線路に6匹のウサギが見え隠れしている。
赤い灯りも生き物のようで生命を感じさせる。
海外で迎える早朝は感情を伴っているように思う。感慨深い。

左上:「二隻の船」
なぜ❓船。馬体って形に無駄がなく美しい。。
左下:「ボヘミアの水」建物の奥行好きなマチにはたまらない。
右上:「ウィーン」
右下:「川に沿って」

初台オペラシティで川口作品を鑑賞したことがあるのを思い出した。
理屈ぬきにシュール作品に魅了される。
屋外彫刻
左:柳原義達「犬の唄」右:多田美波「時空」
三重県立美術館で両氏の作品を見てきたばかりだ。
三重県立美術館のブログを参照ください。

左下:湯原和夫「無題」と本郷新「わだつみのこえ」
右上:渡辺豊重「SWING 86-01」
右下:眞板雅文「静思空間」

立体作品が豊富な前庭だけを散歩することもできる。地元の方が羨ましい。
素敵な環境だ。
ミュージアムレストラン

アクセス


駐車場はないので近隣パーキングを利用ください。
鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム
鎌倉駅からの道すがら、文華館にも立ち寄る。
目的は建築物。
建築物
この日は季節展 「文様と美」が開催されていた。
なんとも鎌倉らしくて雅。
美術館の設計はル・コルビュジェに師事した建築家のひとり坂倉準三。1951年に竣工したモダニスムの傑作と称されている。
日本初の公立近代美術館、そして国の重要文化財。

立派な木が左を隠しているけれど正面から見ると完全なるシンメトリーの美。
中央の階段と鉄筋の柱が線対称の軸になっている。
よく見ると柱の横の部分は海老茶色に塗色されている。細かい部分にもこだわりが感じられる。

平家池のゆらぎがキューブの上部に映り込んでいる。
のどかな天気の良い日の光景。

中庭の平家池に面したピロティが抜けのよい景観を生み出していて建築のポイントに。

鶴岡八幡宮側からの入口。
堂々たる外観。前庭までは無料で散策できるのでお散歩コースにおすすめ。

ミュージアムカフェ
美術館に隣接するカフェ。
樹齢1000年の大銀杏の幹が店内に展示されていて窓外の緑を眺めながら和スイーツ&お茶を楽しめる。
美術館に入館しなくても利用できる。
ゆっくり休憩したり、友だち、家族とお茶したりとゆったりとした時間を過ごしたくなる。
木のぬくもりもいいなぁ~。

鶴岡八幡宮
鎌倉文華館の東側は鶴岡八幡宮の境内だ。
初参りに立ち寄った。
お守り売り場をぬけると拝殿はすぐ。
平日なので思ったほどの人出ではなく、待ち時間なしで参拝できた。
無事に暮らせていることに感謝してお参りさせていただいた。
穏やかなお正月。
ブログを見てくださる皆様にいつも感謝しております。
皆様に良い情報をお届けできるように更新していきたいと思います。
今年もよろしくお願いします。

アートっていいなぁ。今日も心豊かに。

