アート旅ブログのマチです。
TOP MUSEUMへ。
写真に興味はあったけれど、今まであまり見る機会がなかった。
目黒に通うことになって散策の時に発見した東京都写真美術館を訪れることにした。

恵比寿駅から美術館へのアプローチがとても素敵だ。
格子状の床。
1950年「パリ市庁舎前のキス」ロベール・ドアノー作品、1944年「オマハビーチに上陸するアメリカ軍」ロバート・キャパ作品、1950年「妻のいる砂丘風景(Ⅲ)」植田正治作品がディスプレイされている。

「パリ市庁舎前のキス」ロベール・ドアノー作品 この作品に関しては、撮影秘話がある。
撮影当初は話題になることはなかったけれど、1980年代にポスターになると「愛の国フランス」を象徴する写真として有名になった。ところが、ある夫婦が写真のモデルは私たちで許可なく撮られたと、裁判を起こした。ドアノーは学生を雇って撮影したと主張しこれが認められて勝訴したそうだ。
世に知られるようになると、思わぬことが起きる。いつの時代も。

ロバート・キャパ、ハンガリー出身、スペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線、第一次中東戦争、第一次インドシナ戦争の5つの戦争を取材した20世紀を代表する報道カメラマンだ。スタインベックやピカソなどの作家、画家とも親交があったようだ。
インドシナ戦争の地雷により40歳の若さで亡くなっている。人間を取り巻く状況が少しでもよくなるようにという情熱をもっていたそうだ。

植田正治は世界で注目された日本人写真家のひとりで、鳥取県境港出身。
人をオブジェのように置く構図や物を擬人化する手法が特徴的で、「砂丘シリーズ」がよく知られている。作品をじっくり鑑賞したいので、今年中に植田正治写真美術館を訪れようと思っている。
入館する前のアプローチで館内の展示に期待が高まる。
展覧会
2階 展示室総合開館30周年記念
鷹野隆大 カスババ ーこの日常を生きのびるためにー
鷹野隆大は写真集「IN THE ROOM」で第31回木村伊兵衛賞を受賞し、現在も活動を続ける写真家だ。
セクシャリティをテーマに撮影したり、「毎日写真」「カスババ」という日常生活に視線を向けて普段の風景をカメラにおさめたりしている。美しいものだけでなく、現実を受け入れて弱いもの、みにくいものにも目を向ける趣旨があるようだ。
自然災害、感染症の世界的流行など現代社会が抱える課題にも関心をもって撮影している。
言葉でなく、映像が語るものも力強いと感じた。表現方法は様々。

影を被写体にした作品。

コロナ禍で頻繁に使用された使い捨ての手袋を使って撮影した作品。
モノクロで撮影されているので陰影や動きに注目して鑑賞できる。
展示方法も美しい。
当時のことを思い出しながら鑑賞。



手と手の微妙な距離を感じる。

影を立体的に配している。
写真の専門的な知識があったらもっと深く鑑賞することができるだろう。
何かの機会に学んでみたいと思う。

体の部分に視線を向けて撮影されている作品。

作品の展示場所も計算されている。

鑑賞者はインバウンドと日本人半々の割合いだった。
外国人カップルが鑑賞する姿がかっこよかったなぁ。絵になる。
ミュージアムショップ

企画展や有名写真家の書籍やグッズも置かれている。
館内

建築としても魅力的だ。高い天井にガラス窓から入る外光が印象的。


2階ロビーにて
金曜日の夜限定 映像作品の特別上映!
18:00~ 19:00~ 7分間
ビルの陰に花火が打ちあがる様子を撮影し音とイメージのずれに注目した映像作品を上映。
タイミングがあったら、是非鑑賞したい。


ライティングも素敵だ。
今後も機会があれば、知識を蓄えて写真の世界に浸りたいと思う。
アクセス
☆JR恵比寿駅東口から徒歩7分。
東京メトロ日比谷線恵比寿駅から徒歩10分。専用駐車場はないので近隣パーキングを利用。
近隣施設

れんがつくりの外観がおしゃれ。
歴史は古く、1887年に日本麦酒醸造が目黒三田界隈に「エビスビール」を製造する工場を作り、ビールを運び出す貨物駅として「恵比寿駅」が置かれた。
エビスビール工場が移転した後、再開発で商業施設ガーデンプレイスが誕生した。


恵比寿駅から見たTOP MUSEUM。
今まであまり見てこなかったものにも目を向けると新しい世界が開ける。
興味津々。続いていこう!
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。