アート旅ブログのマチです。
東北の旅の締めくくりに福島県に立ち寄りました。
福島県と言えば、オランダのクレラーミュラー美術館から来日している「夜のカフェテラス」を鑑賞しないわけにはいかない。
大ゴッホ展の様子、混み具合、基本情報、アクセスなど詳しくお伝えしたいと思います。
最後までお付き合いください。
福島県立美術館
建築として
福島県が誇る福島県立美術館は1984年に竣工しました。
建築設計は大高正人氏。
大高正人氏は、ル・コルビュジェに学んだ日本近代建築の巨匠 前川國男のもとで東京文化会館などの建築を担当し、独立後は風土に根ざした都市町づくりを推進した建築家です。

美術館の建物はバックの信夫山の稜線と響き合う、低く落ち着いたシルエットが特徴的です。
大きな前庭の水盤は美術館や周りの景色を映し出し、さらなる広がりを感じさせます。
東隣の図書館は同時期に石本建築によって建てられました。
美術館は調和をはかるように同じレンガ造りで一体感をもたせて造られています。

伝統的な民家の切妻屋根や台形の屋根をレンガタイルと組み合わせて、現代的にアレンジしています。


山のように傾斜した勾配屋根派になってからの建築。

屋根に小さな煙突がつけられているように見えるのもポイントになっています。

エントランスホールはとにかく大きく、天井も高く圧倒的。

いくつもの柱が立てられ、大聖堂のようです。

マリノ・マリーニ「騎手」
この場にふさわしい、迫力のある素晴らしい彫刻。

企画展 大ゴッホ展
満を持して
「大ゴッホ展」へ
すべての作品がオランダのクレラーミュラー美術館から来日しています。
朝並んだのが20番目だったのですが、鑑賞前にロッカーに荷物を預けたので入口に並んだときは40番目になってしまいました。
キャプションを読んだり、イアホンガイドを借りる人を横目に急ぎ足で最後の展示室までまっしぐらに進みます。

「草地」
パリ時代に描かれた作品です。
生命力あふれる草花を同じストロークで丹念に描き込んでいます。
すきまのないほど、びっしりと描いているのが特徴的です。

「レストランの室内」
新印象派の技法 点描が使われています。
コントラストを生む補色、壁の赤と緑、床の黄色とくすんだ紫、椅子のオレンジとテーブルクロスの青が効果的に用いられています。
壁にかけられたシルクハットも印象主義のモチーフです。
ゴッホの心が安定している時の作品のような気がしました。

「自画像」
モデル代をねん出することに苦労したゴッホは自画像を多数描いたと言われています。
その数39点。
短いストロークの連続で頭部などを描いているのが特徴的です。
目や口元などの表情のとらえ方が秀逸。

「石膏像のある静物」
パリ時代の作品と考えられています。
2冊の本は当時画家が称賛したゴンクール兄弟の「ジュルミニー・ラセルトゥ」(左)とモーパッサンの「べラミ」(右)です。
エピソードがとても素敵です。

「夜のカフェテラス」(フォルム広場)
愛読したモーパッサン「べラミ」に現れる星空、あるいは、1888年に地中海で見た色彩豊かな星空に刺激を受け、絵にしたと考えられています。
「べラミ」の冒頭のシーン、主人公が目にしたカフェの夜景と同じだと、ゴッホは語っています。カフェテラスのガス灯の明かりは、鮮やかなコバルトブルーを背景に輝く星々の美しさを際立たせいます。
ゴッホが憧れのアルルに来て、暗い中で描いた夜のカフェの様子です。
何といっても、群青色とエネルギッシュな黄色の対比にくぎづけになってしまいます。
特に濃淡の群青色が魅力的です。
黄色で描かれているカフェの外壁と同色でガス灯を描くゴッホ。
色彩のセンスが素晴らしい!

「そう、これは黒のない夜の絵だ。美しい青と紫と緑しかなく、これを背景に、灯りで照らされたひろばは薄い硫黄色と緑かかったレモンイエローで色づけされている。」 by ゴッホ

撮影はできなかったけれど、ピサロやマクシミリアンの点描も見ることができてよかったです。
企画展を十分楽しんだあと、一階からスロープを昇り、目線を変えながら常設展示室に向かいます。

美しいガラスの作品。

Yチェアで一休み。


佐藤忠良「若い女・シャツ」
ブロンズの忠良氏の作品が大空間に堂々とした姿を見せています。

2025年度 第Ⅳ期コレクション展

カミーユ・コロー「ヴィル・ダヴレー」
林を抜けてコローの家にむかう池沿いの道を描いています。
王道のバルビゾン作品。

ポール・ゴーギャン「ブルターニュの子供」
面でとらえて色彩をのせていくゴーギャン独特の手法が見られます。

関根正二「神の祈り」
「関根のヴァーミリオン」と称される美しい朱色がポイントに使われています。
北方ルネサンスをはじめとする西洋絵画に感銘を受けて独特な色彩感覚を開花させた作家です。

ベン・シャーン「触図」
さわって鑑賞できる作品です。
触図とは、手や指でさわって何が描かれているか分かる図や絵のことです。
触った感触を大事にします。

齋藤研「佇む」
作家ゆかりの新地町釣師浜であった旅館、朝日館を描いた作品。
津波被害で骨組みだけになってしまった様子を描いています。

髙澤俊郎「震災の記憶~髙田松原」
髙田松原は作家の故郷で、震災以降繰返し同地をテーマにする作品を描いています。
傷ついて朽ちていく樹木の描写に自然への畏怖と被災者への鎮魂の想いが重なっています。

充実したコレクション作品。
これらに加えて、ロシア生まれで芸術家の両親のもとで育ったベン・シャーンの作品がとてもよかったです。
20世紀という時代を写真と絵で残した作家です。
アメリカの水爆実験で被ばくした第五福竜丸を取り上げた「ラッキードラゴン」シリーズを描き日本の画家にも影響を与えました。
撮影できなかったので、お土産にポストカードを購入しました。

屋外展示
フェルナン・レジェ「歩く花」
彫刻の森美術館にも屋外展示されています。
太陽に向かって前進しているように見えます。

井上武吉「MY SKY HOLE 89-2」
モニュメントだけでなく、空間を造形するパブリックアートを数多く残している作家です。
東京都美術館の前庭にも巨大な球体の立体作品が展示されています。

アクセス













基本情報



開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30)
会期:2026年2月21日~5月10日
住所:福島県福島市森合西養山1番地
☆詳細情報は 福島県立美術館HPからご確認ください。
☆混雑具合
4月7日(火)の時点でも、開館1時間前で20番目くらいの並び順だったので、かなり待つことが予想されます。
ポイント
①来館日の団体予約が何時に何人かHPで調べて、その時間帯を避ける。
➁当日午後券が11時から販売されるので、午後は事前予約の人数からさらに来館者が増えることが考えられる。
③30分に 200人ずつくらい入館させるようなので、時間が経つにつれて混んでくることが予想される。
日時指定チケットを購入するにも早い時間の方がスムーズかもしれません。
以上をふまえて、マチは平日の朝一番をねらって来館し、入館してからはまずメインの最後の展示室を鑑賞してから最初の展示室にもどって鑑賞しました。
混み始めるもでの15分間は、「夜のカフェテラス」をゆっくり心ゆくまで見られました。
まとめ
福島県立美術館は美術館そのもの そして素晴らしいコレクション作品を所蔵しているので、それだけでも訪ねる価値があると実感しました。
今回は企画展がゴッホとあって格別でした。
クレラーミュラー美術館に行くことなく鑑賞できるので、アートファンにオススメです。
クレラーミュラー美術館を訪ねた2024年の秋を思い出しました。
その時のブログはコチラです。あこがれのクレラーミュラー美術館
ももりんウォーター
日本の中でも美味しい水道水の町「ふくしま」世界が認めた美味しい水。
もちろん、くだものも美味しいです
自然にあふれ、食べものも美味しい福島県、再訪したいと思います。

アートっていいなぁ。今日も心豊かに。
