アート旅ブログのマチです。
東京現代のチケットの特典として付随する森美術館で開催のロン・ミュクエ展に行ってきました。
精密な人体の立体作品に込められた作家さんの思いに注目しながらの鑑賞でした。
詳細を掲載します。
最後までどうぞお付き合いください。
森美術館
ロン・ミュクエ展
ロン・ミュクエは1958年メルボルン生まれで、イギリスを拠点に活動している作家です。
具象彫刻を追求し続け今日に至っています。
リアルに制作された作品は実物大ではなくスケールの大胆な操作が行われ、鑑賞者に迫ってきます。

では、展示室へ。
「枝を持つ女」
女性の身体の3倍はあるかと思われる枝をかかえている様。
たくましく生きてきたこと、生活してきたことを証明するかのような作品。
皮膚、筋肉、毛髪のリアルな細部を見ることで女性の内面を想像します。
なぜ裸でこんなにたくさんの枝をかかえなければならないのか?
想像は人それぞれ。

太くてたくましい下半身は人に頼らずに生きてきた証か。


「イン・ベッド」
巨大なベッドに横たわる中年の女性。
眉間に寄ったしわや頬に置かれた手、うつろな目。
就寝前に一日の出来事を反芻して、不安、心配な思いをめぐらせているのか。
枕に沈むへこみから頭の重み、たてた膝の様子も気になる。
様々な角度から鑑賞してたくなる作品。

今作は2008年にも東京都現代美術館で展示されました。
その当時は現代アートのかけらも知らなったマチ。
人生どんな展開になるかわからないものだ。
現代アート、インスタレーションなどマチにとって新しい分野に誘ってくれたお友だちに改めて感謝しています。ありがとう、お友だち。
それにしても、巨大。

「若いカップル」
仲の良い二人と思いきや、女子の表情がおかしい。
こんなに密着しているのに嬉しそうでない。
その理由が。。。

後ろに回ってみるとわかる。
不自然にピンと伸びた女子の手。女子の手首をつかむ男子の力のこもった手。
主従関係ができてしまったカップルなのか。デートDVか。
ふたりに何があったのか。
早く逃げだして!と、叫びたくなる。

「ゴースト」
10代の少女。
思春期特有の陰鬱な気持ち?そこまでいかなくとも、なんとなく気が晴れないという表情なのか?
自分に自信がもてない心境かな?
見ていると切なくなる。
1998年に制作され、ロンドン テート美術館に所蔵されたものを2014年に改めて制作されたアーティスト・プルーフの作品です。
足が長すぎてアンバランスなことも精神のアンバランスにつながっているのか。

作品制作 風景を撮った貴重な写真。

「エンジェル」
スツールに腰かけ頬づえをつく天使。
どこへでも自由に飛べるのに、思案して動けずにいるのか。
斜め下をみる目線、頬づえ、立派な羽根の生えた丸まった背中。
堂々と広がる羽と対照的な人物。その対比に物語を感じます。
哀愁が漂うエンジェル。
ミュクエ 初期の作品。
ジョバンニ・バッティスタ・ティエポロによる<ヴィーナスと時間の寓意>作品を目にして今作を制作しました。


「ダーク・プレイス」
暗闇に浮かび上がる男性の頭部。
何か思い詰めているような、内に隠した感情を想像します。

「舟の中の男」
傾いだ体、覗き込むような視線、不安そうな表情。
これからの将来を案じているような印象を受ける作品。
オールはなく、どこからか漂流してきた舟か。
ディエゴ・ベラスケスの絵画<無原罪の御宿り>に小さな舟が描かれており、ミュクエはそれがキリストを宿す聖母を象徴していることを発見して作品に取り入れました。

「チキン/マン」
食卓に突如やってきた鶏と対峙する老人。
体の衰えはあるものの、精一杯力をこめて手を置き、これ以上近づけさせないようにしている場面のように見えます。
実寸より小さくつくられた作品、その意図は?

「買い物中の女」
赤ちゃんをおなかにだいて、両手には日用品が詰まったレジ袋を提げ、一点を見つめる女性。
働きながら、子育て、家事を切り盛りする姿をリアルに想像します。
ワンオペ、何もかも放り出したくなる時もある。
西洋美術史のテーマ「聖母子像」の現代的解釈とされていますが、ミュクエが実際に横断歩道で出会った母子の姿から連想して制作されたそうです。

「マスク Ⅱ」
ミュクエの寝た顔の自画像。
約4倍の大きさで制作しています。
寝息が聞こえてきそうなリアルな作品。
作家が作りあげた虚構の自己像に過ぎないと言えるかもしれない。

「マス」
一つ一つ異なったスカルの集まり。
マス(Mass)
特定の形や配置をもたない、大量の何か。
大勢が一カ所に集まること。
あらゆるものに含まれる物質の量。
宗教的な儀式。
―ロン・ミュクエ (キャプションより引用)

100点の人間の頭蓋骨で作られたインスタレーション。
韓国でも展示されました。

「時の空白」
インドネシアのオランダ植民地の痕跡を写真、文書、記念碑といったアーカイブで辿る作品です。
ナポレオンのように馬上で旗を翻す様子にみえます。

基本情報
2026年9月23日まで。
圧巻の展覧会、是非ご覧ください。




六本木のギャラリー
☆ペロタン
新進気鋭の作家さん ヘルナン・バス
欲望、ファンタジー、文学などをテーマにして。


☆NASU TARO ギャラリー
東京現代でも素敵な作品をたくさん見せてくださったギャラリー。
他にも、ライアン・ガンダー、ローレンス・ウィナーなどの作品が展示されていました。
リアム・ギリック 作品

☆ギャラリー スカイ ピラミデ
ダニエル・ビュレン 作品
カラフルなストライプ作品が並びます。

☆ケンジタキギャラリー
塩田千春さんのドローイング作品。

☆KOTARO NUKAGA ギャラリー
オリオール・ヴィラノヴァ 「Original Copy」
スペイン生まれ、ブリュッセルを拠点に活動する作家さん。
蚤の市やお土産屋さんをめぐり、ポストカードを収集して、インスタレーションやパフォーマンスの思想的な素地を与えて作品を作り上げています。
10枚ものポストカード。様々な場所から自分宛てに出したカードを並べています。
あえて、裏は見せずに展示しています。






☆シュウゴウアーツ
丸山直文 作品
アクリル絵の具をにじませる手法で山、川などの自然を描いていく。

三嶋りつえ 作品


虎の門ヒルズ TOKYO NODE GALLERY
初めての訪問。
森タワー、周囲のボリューム感を和らげるカーブを描く外壁、斜めのスカイラインが特徴です。
この日は駅から直結ルートでアプローチ。
内装デザインは、トニー・チー、緒方慎太郎、小坂竜氏が手掛けています。


トニー・アウスラー 技術と霊知のはざま
マルチメディアアートの巨匠、日本初の大規模個展。
アメリカ出身の作家さん。
映像やプロジェクションマッピングといった、立体物に映像を投影するスタイルで表現するアーティストです。

人体に迫る、拡大された目。
よく見ると人間の目って不気味。

見えないものを見る力に注目するコーナー。
カラフルな星が並びます。

巨大な植物、動物が投影されています。
インスタ映えを楽しむ若者たちが目につきます。
私たち世代はほとんど見かけません。


日本のたまごっちにヒントを得てつくられた作品群。
確かにカラフルで美しいのだけれど、映像投影作品は難しいな~と、改めて思う展覧会でした。


ラリー・ベル「Pinky」
贅沢な空間、さすが森タワー。


【★送料無料!】【洗濯洗剤】ライオントップクリアリキッド業務用4L【★同梱不可】
まとめ
ロン・ミュクエの作品は50点ほどしかない中、11点もの作品を集め展示する今回の展示はとても貴重な機会だと改めて知りました。
鑑賞者一人一人に語りかけてくる作品群はどれも精緻でリアルがゆえに、人物の内面に想いを馳せて物語を想像しました。
作品のメイキングの裏側をを写真で見ることができたのもとても印象深ったです。
芸術の秋、アート鑑賞を充実させよう!
アートっていいなぁ。今日も心豊かに。
