アート旅ブログのマチです。
「旧香川県立体育館」の解体工事が2026年4月に始まったという悲しい知らせを入ってきました。
しかも住民訴訟が起こされたなかで。
通称「船の体育館」の取り壊しに疑問の声があがっています。
一方、俳優鈴木京香さんに継承された「VILLA COUCOU」と歴史的・建築的な価値が認められ保存が決まった「土浦亀城邸」はともに取り壊しを免れました。
住宅と公共施設という規模の違いはあるものの、残されて本当によかった。
今回は2024年から公開が始まった「土浦亀城邸」について、見学会の様子と基本情報などをお伝えします。
最後までお付き合いください。
☆「VILLA COUCOU」についての詳細はブログに残してありますので、参照ください。
土浦亀城邸 見学会
建築家 土浦亀城とは
1897年水戸市出身、東京帝国大学卒業後、世界三大建築家のひとりフランク・ロイド・ライト氏もとで建築を学び、日本にモダニスム建築を定着させた建築家です。
吉野信子と結婚した亀城は遠藤新を通じて出会ったフランク・ロイド・ライト氏からの誘いで、アメリカのライト氏のスタジオ兼住宅「タリアセン」で図面制作などを任されました。
帰国してからはビルや個人住宅の設計に携わりました。
1935年に竣工した第二の自邸がこの土浦亀城邸です。
復原・改修工事後の一般公開も見据えて、上大崎から青山に移築されました。

土浦亀城邸の概要
移築前の上大崎では、実業家・竹内昇の所有地の一角に友人4人の住居を同地内に設計することを計画します。
最新手法で共同で水道を引き、衛生・インフラ面でも最先端の4軒のモダニスム邸宅が出来上がりました。
外観はホワイトキューブで地形の高低をいかして半階ずつずらして空間をつくりだしました。

土浦亀城邸のみどころ
特徴は、「スキップフロア」
1つの階層に中2階のような高さが異なる床を設け階層をずらすことで、開放感がある空間を有効に活用することができます。
高低差のある土地の個性をいかして、屋内外5つの小階段を設置して地下1階から地上2階まで4層のフロアを実現しました。(中2階を含む)
扉がないオープンな空間でもプライバシーのある空間をつくりだしました。

自然光が降り注ぐ大きな窓も特徴のひとつです。
最先端の暖房設備、給湯設備、洋式水洗トイレ、シャワーを備えた浴室なども完備されています。
個人住宅に天井パネルヒーターが備えられているのも当時はかなり珍しかったようです。
建具や建築金物はオリジナルの部材を可能な限り再利用しています。
家具、カーテン、照明器具などは過去の写真から図面を起こして工房や職人さんに依頼して再現しています。

合理性を追求し、機能的に住まうため作りつけの収納スペースや家具も見られます。
内装は薄いグレー、朱色、黄色などの色を中心に塗装せれ、統一感をもたせています。
復原された土浦亀城邸では、間取りなど建設当時の状態に戻す試みがされています。
邸宅内の絵画は女性建築家の先駆けであった信子が建築家から画家に転向して制作したものです。
邸宅の魅力を際立たせているように見えます。

土浦亀城邸 見学について

詳細は土浦亀城邸-ポーラ文化研究所 HPより
見学予約はコチラから↓
予約は即日埋まってしまうので計画的にとることをおすすめします。
基本情報
移築後の住所:東京都港区南青山2-5-13(ポーラ青山ビルディング敷地内)

アクセス

駐車場はありません。公共交通機関を利用ください。
まとめ
見学会では住宅遺産トラストのスタッフさんが土浦亀城邸の概要、住宅の特徴などを見学しながら解説してくれます。
土浦亀城邸が現代に残されたのは、戦禍を免がれたこと、土浦亀城夫妻が60年間住み続け、夫妻没後は秘書の中村常子さんが20年間保存管理に尽力したことによります。
その後、建物の老朽化と継承の問題から保存活動が行われ、住宅遺産トラストに引き継がれたことにより私たちが今日の姿を見ることができます。
日本の住宅史に欠かせない「木造モダニスム住宅の原形」として東京都指定有形文化財に指定され残されて本当に良かった。
移築、保存活動などのリアルな話も聞くことができ、現在こうして私たちが見学できることに改めて感謝する気持ちになりました。
貴重な建築が残されて良かったなぁ。今日も心豊かに。

